【目次】
◆ QC工程表とは
QC工程表とは、ある製品が生産工程を通して出荷されるまでの各段階で、保証されるべき特性ごとに検査、確認の方法、基準を記載した図であり、QC工程図とも呼ばれます。 これによってすべての必要項目が、どこでどのように保証されているかを一覧することが可能になります。 本来は製品を設計した時に決まっているべきではありますが、作り始めてから分かったり、より良い検査方法が見つかったりします。 その都度、QC工程表を改訂して現状に合わせておく事が重要です。今回は、QC工程表は何を表しているのか、QC工程表と作業標準書、工程記号について解説します。
1.QC工程表の登場
第二次世界大戦後、アメリカから日本に品質管理の思想、方法が導入され戦後の日本の高度成長を支える土台となり、「Made in Japan」はハイクォリティーの代名詞となりました。この時代の品質管理は、管理項目として作業の標準化を中心にしたもので標準化手法としては「作業標準書」が生産現場で作成され、これを活用することによりバラツキの少ない製品が生産され、品質管理が一挙に促進されました。
しかし、個々の作業標準書の目次、あるいは体系を表わす文書が欠如していました。1980年6月に発行された「ねじ入門書」((社)日本ねじ工業協会刊)に図1の様式の資料が標準資料として掲載されています。これが世間に発表された品質保証のための比較的初期の様式です。その後、多くの企業がこの様式を倣って品質管理標準を作成し、変遷を経て「工程品質管理表(例:図1)」あるいは「QC工程表」 「QC工程管理図」 等の名称で多くの企業で採用されるようになりました。
2.QC工程表は何を表しているのか
不良発生原因調査、生産性向上改善等をおこなう際にQC工程表がないと数十枚以上ある作業標準書をいちいち調べる必要があり、一覧表にまとめたQC工程表があれば一目で工程の管理点が把握できます。QC工程表で重要な項目は図3のように「管理点」と「管理方式」です。
◆ QC工程表と作業標準
1.QC工程表と作業標準書
QC工程表は、管理者と技術者が主として使う技術資料です。目的は品質保証のプログラム設定、あるいは品質保証の可否の検討です。作業標準書は、現場の監督者と作業者が主として使用する技術資料です。目的は監督者が作業の手順と要領を支持し、作業者が作業する時に準拠する資料です。
【 QC工程表 】
部品・材料の受けれ、加工、製造、運搬出荷を含めたプロセスのすべてを網羅し...
【 作業標準書 】
良い作業を、長期的に続けるために1工程、1作業毎の過程・手順、ポイント、禁止事項などの詳細を明記した作業指示書。
2.工程記号
『 工程記号 』は図4のように、JIS規格の中でも決められており、この記号を使用することで、お客様にQC工程表を提出した場合、フローチャートとして内容が理解されます。
図4.工程記号