機構部品、ユニット組立品などの生産を協力工場へ委託する場合を考えてみましょう。中国をはじめ、海外の企業に生産を委託するということは、委託側企業が海外委託先企業に対して、委託内容をどこまで伝えられるかがポイントになります。
最近は、大企業でも生産技術を専門とする技術者は層が薄くなり、代わりに資材調達の担当者がその役割を担っています。その理由は、時間を掛けて協力企業を指導しているよりも、一番良いと思う企業を探してくる方が手っ取り早いからです。これは、インターネットで情報を検索できるようになったことも大きく影響しています。
◆ 海外協力工場の選択、検討
海外協力工場選びのコツは、委託内容を何処まで理解し、聞いてくれるかにかかっています。設備や、サンプル製品を見るのも大事なことですが、まず経営者やスタッフにどこまで本気で協力してもらえるのかを判断しなければなりません。その時の判断ポイントは、次のようです。
【判断する内容】
・レスポンスの速さ
・期限を守ること
・依頼した内容に対し、結果が悪くても言い訳しないこと
・価値判断が一致していること
海外企業の場合、カルチャーの違いから、価値判断を一致させることが困難な場合が多いものです。言葉のニュアンスも異なり、行き違いが多々発生します。下記は、協力工場調査チェック項目とチェックシートの例です。
【協力工場調査チェック項目】
・組織体制及び品質・信頼性意識
・技術体制
・製造体制
・品質信頼性保証体制
・製造検査設備
・標準化
・外注管理
・異常・クレーム処理
・製品管理
図1. 協力工場調査チェックシートの例
意思疎通はできるだけ...
、文書でやり取りをすることです。契約書ありきで物事を進めることが大切です。次の契約書類を必要に応じて準備することです。
【契約書の種類】
・取引基本契約書
・品質保証協定書
・技術ライセンス契約書
・秘密保持契約書