具体的欠落防止機能 新QC七つ道具: マトリックス図法の使い方(その3)

 
【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←掲載済
第4章  親和図法の使い方 ←掲載済 
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方←掲載済
第6章  マトリックス図法の使い方←今回
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方←掲載済
第10章 PDCA-TC法の使い方←掲載済
 

第6章  マトリックス図法の使い方

 
 前回のその2、6.4.1 検討範囲欠落防止機能に続いて解説します。
 
 
 

6.4 マトリックス図法の「検討範囲欠落防止機能」について

 

6.4.2 事例に見るマトリックス図法の具体的な「欠落防止機能」

 

【事例説明1】不具合原因追及マトリックス → 対策検討範囲欠落防止

 
 所属部門が、単体部品の下請け的製造から、開発を含むアッセンブリーの製造に脱皮した当初、体制不十分で“混沌B”に陥ったのです。
 
 根本対策である“新体制の構築”とともに、当面の施策として、PDCAのサイクルを早く回すことによる“現体制の効率アップ”を企図した“QC連絡会”がスタートしました。これは、毎朝、前日発生した問題点に対する対処を決定する会議です。
 
 この会議を任された筆者は、各係長の対策をチェックし、不足点の指摘をするのですが、ある日、会議終了後、会議の司会担当係長が「どうして対策を言い終ると間髪を入れず不足点を指摘できるのか」と質問してきました。
 
 その時の回答が、「頭の中にある表1-1のようなマトリックスに、皆の言う対策を埋めていき、あいているところを質問する」だったのですが、彼の発案で表(L型マトリックス)を大書して会議場に貼り、対策案の漏れ防止に使いました。
 
 そのマトリックスが、第1章で使った表1-1であり、下記に再掲します。
 
  表1-1. 不具合原因追及マトリックス 
 

【考察】

 
 実は、このマトリックスが、頭の中でこのようにすっきりした形になるのには、三カ月ほどかかっています。このような思考の漏れを防ぐためのマトリックスの場合、列と行に何を持ってくるのか、そして、それに関わる要因をどれだけ絞り込める...
かが勝負で、そこに時間を要したのです。
 
 次回に続きます。
 
【関連解説:新QC七つ道具】

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