繰り返しの作業の事前準備 儲かるメーカー改善の急所101項(その10)

 

1.モノづくり〈基本の基本〉

◆ 繰り返しの作業の事前準備

 先回に引き続き「繰り返し」についてお話しします。

 繰り返す、ということは、もし前回にすごく良いやり方ができたとしたら、今回もそのすごく良いやり方を再現すれば、結果はすごく良いということが分かっているということです。すなわち今回のテーマは、「再現性の追求」ということになります。

 前にやったことがあるのであれば、その仕事に必要なモノはすべて分かっているのですから、全部を近くに取り易く準備できるはずです。例えば、段取り替え作業で担当作業者が何かを探したり取りに行ったりしたら、繰り返すための学習や準備や手順化ができていないということです。そして、使わないモノも分かっていますから、そこに使わないモノは置いておかないようにすることができます。本当に要るモノだけが置かれている状態はかなりスッキリとしているものです。

 では、具体的に段取り替え作業においてこの考え方を適用するにはどうすればよいかを考えましょう。前回うまくいったやり方をそのまま再現できるようにするには「手は使っても足は動かすな」というやり方がいいと思います。すべてが近くに取り易く準備されていれば、手は動きますが足は動かなくてもいいはずです。全く動き回らないで段取り替えが終了してしまうやり方を追求するのです。

 そのための道具として「段取り台車」がとても役に立ちます。例えば、金型交換の段取りには取り付ける金型だけでなく、取り付けに必要な工具、外した金型を置くスペース、その他のあらゆるモノを使いやすく載せられる自社オリジナルの「段取り台車」を作成することです。

 段取り台車を近くに置くだけですべてが揃い、手は...

使っても足は動かない最も良い作業がいつも再現できるようにするのです。

 今回の言葉

************************
 繰り返しの作業にこそ、チエのレベルが現れる。
************************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者