き裂の負荷モード 金属材料基礎講座(その38)

 

 材料が破壊する時は小さなき裂から大きな割れに進展することが多いわけです。今回は、き裂にかかる応力についてみていきます。

 材料にかかる応力の種類として金属材料基礎講座(その36)で5種類挙げましたが、き裂の負荷モード、き裂にかかる応力の種類というと3種類になります。その様子を下図に示します。

図.き裂の負荷モード

 モードⅠは引張形式です。材料に引張・圧縮応力が負荷された時はき裂にも引張・圧縮応力が働きます。

 また材料に負荷される応力が曲げ応力であっても、き裂に働く応力としては引張・圧縮になります。

 モードⅡはせん断形式です。例えば、ボルトなどの棒状のものを2方向から応力が負荷された時などに起こります。

 モードⅢは面外せん断形式です。モードⅡのせん断形式...

の向きが変化したタイプです。同様にボルトに2方向から応力が負荷された時や、ねじれ応力が負荷された時に起こります。

 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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