◆ データ分析・活用が上手くいっている時に必ずある、2つの流れ
良くも悪くもデータから逃れることのできない時代になってしまいました。データにがんじがらめです。逃れるすべは、あらゆるIT的な恩恵を切り捨て、無人島にでも住むほかありません。それほど、データは社会や生活の中に浸透していると思います。どうせならそのデータを使いこなし、より良い方向にもっていきたいものです。
そのようなチャレンジは、20年前のデータマイニング・ブームのころからされていますが、上手くいっているケースと、そうでないケースに分かれます。今回は「データ分析・活用が上手くいっている時に必ずある、2つの流れ」というお話しをします。
1. データ分析:2つの流れ
2つの流れとは「分析の流れ」と、その分析結果の「活用の流れ」です。データ分析・活用ですので、分析しないと始まりません。「分析の流れ」が存在しないデータ分析・活用はあり得ません。
そのため「データ分析をビジネスで活用するぞ!」と言った時、最初に思い付き、そして注目するのが「分析」です。いかに分析すればいいのか、どのような分析手法を使えばいいのか、といったことを悩むようです。もう一つの流れが「活用の流れ」です。「データ分析・活用」ですので、この流れがなくては、データ分析が活用されません。
要するに「分析の流れ」と、その分析結果の「活用の流れ」が無いと、データ分析・活用は上手くいきません。見方を変えると、上手くいっているケースでは意図しているかどうかに関係なく「分析の流れ」と、その分析結果の「活用の流れ」ができています。2つの流れが出来ていないと、データ分析・活用が上手くいかないからです。
2. 流れのストーリーを描けているのか、それが問題
この「流れ」はあるストーリーに沿って流れます。
「分析の流れ」は「分析ストーリー」に、「活用の流れ」は「活用ストーリー」に沿って流れます。先ほど、データ分析・活用が上手くいっているケースでは「分析の流れ」と、その分析結果の「活用の流れ」が出来ているとお話ししました。意図しているかどうかに関係ないともお話ししました。データ分析・活用を成功裏に収めたいのでしたら「意図的」にこの2つの流れを作ればいいのです。そのためには、あらかじめ「分析ストーリー」と「活用ストーリー」を作る必要があります。
3. 抜けているのは、活用ストーリー
「データ分析・活用」と聞くと、多くの人は「分析の部分」に目が行きます。
そのため、データ分析・活用にチャレンジした場合、データ分析をせずにチャレンジすることは、あまりありません。そのため、データ分析・活用が上手くできていないケースでは多くの場合、何かしら分析ストーリーがあるものの活用ストーリーが抜け落ちています。
活用ストーリーが抜け落ちていると、分析結果を受け取った側で何もアクションを起こせません。どのように活用していいのか分からないからです。具体的な活用イメージの無いデータ分析は、多くの場合使われず無駄な作業になります。気を付けたいものです。
4. 活用ストーリーのない分析は、単なる自己満足かもしれない
活用ストーリーのないデータ分析は多くの場合、単なる自己満足になるケースが多いです。
分析者の自己満足かもしれませんし、上長の自己満足かもしれませんし、どこかのエライ人の自己満足かもしれません。誰の自己満足かは定かではありませんが…。
少なくとも、活用する側にとって満足のいくものではないことは確かです。最悪、活用ストーリー...
のない分析の場合、誰が活用する側なのか不明瞭な場合すらあります。不明瞭な場合、誰からも文句は言われませんが周囲から奇異な目で見られたり、分析する側で何にも貢献していない感が強くなり、精神衛生上もよろしくありません。
5. 活用ストーリーから、分析ストーリーを考えればいいかも
活用ストーリーのないデータ分析・活用は危険です。なぜならば、分析ストーリーそのものの良し悪しが分からないからです。データ分析の良し悪しは、分析そのものではなく、活用サイドで決まるからです。では、どうすればいいのか?
答えは単純です。2つのストーリー(分析ストーリーと活用ストーリー)を作ればいいのです。2つのストーリーがあって初めてデータ分析・活用が機能します。それにはストーリーを描く順番があり、最初に活用ストーリーを描き、次に分析ストーリーを描きます。それだけです。