【中小企業経営基礎講座 連載目次】
- 1. 経営の基礎
- 2. 貸借対照表で見る資金の状態
- 3. 経営を自動車運転に例えれば
- 4. 企業経営の様々なリスクと予知能力
- 5. 経営における利益の位置づけ
- 6. 存在理念・経営理念・行動理念について
- 7. 経営進化の段階
- 8. 企業は変態脱皮して進化する
私は経営計画の必要性を40年間説いてきましたが、20年前に「理念経営のすすめ方」を出版して「理念経営」を発表した時から最上位の理念として、存在理念を提唱してきました。
「理念経営」は、下記のように存在理念・経営理念・行動理念(社是・社訓)・経営方針と展開されて、現場の「仕事の基本」となって、実務の世界に落とし込まれます。
1)存在理念・・・・企業の社会的な存在理由・「世のため・人のため」に何をなすべきなのか?
・人を人らしく遇するための経済活動や地域活動や文化活動の実戦と実現
・100年経っても不変の実現すべき事業目標と活動指針
・受け継がれるべき理念であり、次世代を担う人たちを未来へ勇気と希望をもっていざないます。
2)経営理念・・・・存在理念を皆で実現するための具体的な中長期の経営指針
・扱い商材を通しての、近未来への貢献方法
・社会に貢献可能なビジネスモデルの開発と実践
・持続可能な循環型社会の推進と支援
・創業者のロマンや創業の精神と人が育つ“しくみ”
3)行動理念(社是・社訓)・・経営活動における規範・行動指針
・意思決定における判断基準と経営者の社員・顧客に対する姿勢
・決してやってはいけない事項と、社員の行動規範
・守るべき企業文化とその方法
4)経営方針・・・・・実行計画に落とし込まれる経営課題
・個別計画はこの経営方針によって策定される
・中小企業では、社員一人一人にも改善課題として示される事もある
各企業の歴史や方針によって、理念や方針の表現は様々であってよいでしょう。
ネバならぬと云う事はありませんが、社員の共感と顧客の支持があるのが、良い指針といえますので、時間をかけて磨き上げれば必ず体得されて、進化のエネルギーとなります。
経営者ならば誰もが、持続可能な企業体に進化することを願っていま...
「存在理念」の実現を目指さない企業経営は、「理念経営」とはいえないと、提言者として断言いたします。また「理念経営」を志向している企業は、どんなに経営環境が変化しても適応できる強靱〔タフ〕さがあると常々感じています。