PERT プロジェクトマネジメントのエッセンス(その4)

【プロジェクトマネジメントとは連載目次】

1. PERTとは

 プロジェクトの進捗を管理する手法には、簡単な図で表現するバーチャートやガントチャートがありますが、今回は技術者がマスターしておきたいスケジューリング手法として、PERT(Program Evaluation and Review Technique)を紹介します。

 これは、作業の先行関係をネットワークのつながり(PERT)で表します。工程を進める時に、最も早く完了するために要する時間と、その時間内で完了するのに影響を与える作業のつながりを明確化するわけです。このつながりを重点的に管理することで、納期に間に合わせる手法です。ここで最も影響をもつ作業のつながりをクリティカルパスと呼びます。つまり、ここを重点的に管理すれば、納期遅れを防止できるわけです。

                    表1 プロジェクトの例         

 例えば、表1のような生産設備の開発を行うプロジェクトを、PERTで表示すると図1のようになります。作成方法は、作業を矢印線で、その始点と終点を○印(結合点)で表します。結合点から次の結合点に続くように番号列で表します。少しでも遅れて開始したり、遅れて完了したりしたときに、プロジェクト全体の納期が遅れるような経路が、クリティカルパスです。

 図1では、0→1→4→5→6→7がクリティカルパスとなります。このパスを重点的に管理することで、遅れを最小限に抑えることができるはずです。

図1 PERT図の作成事例

 少し複雑な業務では、専用のソフトウェアを使う事も検討しましょう。図2はマイクロソフト・プロジェクトと呼ばれるソフトウェアで作成したPERTの例で...

、かなりの部分を自動化してくれます。

 実際の業務では、実施項目が多いため、この番号や日数を記述するのではなく、カレンダー日程、主要イベント、主要納期を記述したスケジュール計画書で進捗管理している例が多いようです。数値の入ったスケジュール表は、補助的な管理ツールとして活用します。

図2 マイクロソフト・プロジェクトの作図例

◆関連解説『プロジェクトマネジメントとは』

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者