4、作業改善の基本
◆ 注文がない時の対処
多くの工場では日々たくさんの製品が作られていますが、増産することより難しいのが、生産量が減った時の対応です。
対応で最もやってはならないことは「手が空いてしまってはならない!」と考え、必要がないモノを作ってしまうことです。もしそのようなことを行ってしまうと、お金がモノに化けて不良在庫化するだけでなく、管理工数と廃棄費用のダブルパンチを食らうことになってしまいます。
そんなことをすればキャッシュがあっという間に無くなってしまうことでしょう。生産現場にはこのような考え方は多くあります。手を空けてはいけない...というのは理解できる気持ちなのですが、間違いです。計算上の能率が上がっても、結果として会社に大ダメージを与えることになります。
だからといって、生産量が少ないにもかかわらず、手が空かないようにしようと生産スピードを落としてゆっくりと作ることももちろん禁物です。一度落としたスピードは元に戻らず、景気が回復した時に競争力がなくなってしまったことに気付くことになります。
注文がないところには生産はないと考えるべきです。ですから生産量を減らすということは注文が減ったということです。
そういう時にするべきことは、手の空いた人で注文を取りに行くことと、次に注文があった時に今より良いモノを安く作れるように訓練することです。そう考えると、段取り替えの練習や多能工化の訓練、あるいは設備の改善などするべきことは山ほど出てくるはずです。
2020年、新型コロナウィルス感染拡大の影響で売り上げを落としておられる企業は多いようです。どうぞ皆様で力を合わせてこの時期でしかで...
今回の言葉
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注文がないところに生産はない。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫