5、設備改善の基本
◆ 流れ設備の内製化
工場を見学すると、一つの場所に同じような設備が並んでいるレイアウトであることが多いと思います。同じ工程の設備がそれぞれ一カ所に配置されているので『工程別レイアウト』と呼ばれています。
一方で、いろいろな設備が一カ所に配置されていて、よく見ると製品を作る順番に並んでいるレイアウトもあります。こちらは『工程順レイアウト』と呼ばれます。
それぞれに長所・短所がありますので、どちらが優れているとは言い切れません。しかしこれからの日本の製造業の取るべき方向が、少品種大量生産ではなく多品種少量生産であり、少ない在庫でお客様に幅広い商品をタイムリーに供給していくのだと考えると、中間在庫を持たないで一気に全工程を完結してしまう『工程順レイアウト』になっていくのが良いと思います。
とはいえ、設備メーカーが売っている機械は基本的に単機能です。旋盤や研削機、プレス機、あるいは塗装機など各専門メーカーから出ていますが、そのほとんどがどこの工場でも使えるように汎用機として売られています。
ですから、流れ生産をするためには、汎用機と汎用機の間を自分たちでつなぐ必要が出てきます。
機種別に並べるのではなく、工程順に並べるレイアウトにするのです。私はこれを「流れレイアウト」とも呼んでいますが、この場合は「工程間をどうつなぐか」に工夫をすることが大切です。
理想的には工程間をつなぐ仕掛けを自社で造ることです。つなぐだけのシンプルな専用機を造ることで生産性もリードタイムもレベルアップできます。独自の強いものづくりができるようになるステップです。
もし、自社に最適な流れ生産の設備を売っているとしたら、フルオーダー設備でとても大きな金額になるか、誰にでもできる程度のものづくりしか行...
今回の言葉
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流れ生産してくれる設備は売っていない。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫