データ分析・活用に慣れていない方にお勧めなのが、次のQC7つ道具です。品質管理の7つ道具というぐらいですから、7種類の道具があります。今回は、7つの内「ヒストグラム」と「管理図」について、概要のみ説明します。
◆関連解説『QC7つ道具とは』
- チェックシート
- ヒストグラム ← 今回の説明対象
- 管理図 ← 今回の説明対象
- 散布図
- パレート図
- 特性要因図
- 層別
1、QC7つ道具とは
QC7つ道具とは、品質管理で利用されていた分析手法で、どちらかというと定量データの分析に向いています。統計学やデータ分析の専門家でない製造業の生産現場の人でも使っています。QC7つ道具は、日本では高度成長期前から使われ、50年以上のデータ活用実績を有します。大企業の製造業の多くは、SQC(統計的品質管理)の専門家が、生産現場に近いところに当たり前のようにいます。
統計学やデータ分析の専門家でない人向けに作られたもののため、データ分析・活用に慣れていない方にお勧めなのです。
2、ヒストグラムとは
ヒストグラムとは横軸に階級、縦軸に度数をとった縦棒グラフで、下図のようにデータの分布を視覚的に捉えることができます。
売上や受注金額など定量データを手にしたとき、「データの特徴をみよう」ということで使います。ヒストグラムを描く際、併せて平均値や標準偏差(もしくは分散、分散は標準偏差を2乗したもの)、最大値、最小値などの統計学的な指標を計算します。
3、定量データは、まずヒストグラムを描こう!
たまに、いきなり平均値だけで語る人がいます。平均値は同じでもヒストグラムの形が異なることは多々あります。
解釈を間違う危険がありますので、可能な限りヒストグラムを描き、分布の形を確認することをお勧めします。
4、管理図とは?
管理図とは、時系列の折れ線グラフです。売上や受注件数などの重要な指標の推移などをモニタリングするために利用します。
通常は、上方管理限界線と下方管理限界線という閾値(しきいち)を設け、その間の外に出た時、異常値と見なします。
5、管理図の用途例
例えば日販(日単位の売上)をモニタリングしていたとします。管理図上の異常値は、日販でヒストグラムを作った時、上方管理限界線を越えたデータはヒストグラムの右に、下方管理限界線を下まわったデータはヒストグラムの左に極端に現れます。
異常検知をするとき、管理図を使うことでもできすし、ヒストグラムを使うことでもできます。日販の例のように時系列で推移するデータでない場合には、ヒストグラムを使い異常検知をすることになることでしょう。
6、今回のまとめ
今回は、7つの内「ヒストグラム」と「管理図...
」について、概要のみ説明しました。ヒストグラムとは横軸に階級、縦軸に度数をとった縦棒グラフで、データ分布を視覚的に捉えることができます。管理図とは、時系列の折れ線グラフです。売上や受注件数などの重要な指標の推移などをモニタリングするために利用します。どちらも、簡単な異常検知で利用できます。この2つに共通しているのが、1変量(一つの定量データ)に対し実施する道具だということです。7つ道具の中に、2変量(2つの定量データ)同志の関係を見る道具があります。
次回は、誰でも使えるQC7つ道具(散布図)です。