◆ DS人財に求められる「3つの力」
今回は「データドリブンで成果を出し続けるデータサイエンティスト(DS)人財に求められる『3つの力』」をテーマに解説します。
【目次】
1. 3つの力
(1)課題設計力(テーマ設定)
(2)データ分析力(アナリティクス)
(3)データ分析・活用の仕組み化力
2.今回のまとめ
DSという名の職業が、定着しつつありますが「期待されること」、「求められること」、「定義」など企業や組織によって微妙に変わってきます。とはいえ、究極的には目に見えた事業貢献・利益創出がないと評価されません。事業貢献・利益創出といった成果を出すDS人財に共通する「3つの力」があります。
1. 3つの力
私は約20年間、データ分析の業界にいます。そこで、事業貢献・利益創出と言った成果を出すDSに共通する力は何だろうかと考えところ、次の3点がみえてきました。
- 課題設計力(テーマ設定)
- データ分析力(アナリティクス)
- データ分析・活用の仕組み化力
他にもあるかもしれませんし、求めらる役割や与えられた権限によって変わってくるかと思いますが、この3つの力は重要なのではないかと感じています。
(1) 課題設計力(テーマ設定)
課題設定力とは、データ分析で解決してより良い方向にもっていくテーマを設定する力です。端的にいうと、筋のいいテーマ設定をする力です。筋のいいテーマとは、実現が容易かつリターンの大きなテーマです。そのテーマが容易かどうかや、どの程度のリターンが望めそうかについては、データ分析の現場が目に浮かぶぐらいに具体化されていないと、分かりません。
テーマ設定で失敗すると、浮かばれません。どんなに頑張っても、事業貢献・利益創出といった成果が出にくいからです。不思議なことにデータを活用し、より客観的に物事を動かそうとしているのに、そのテーマ設定の客観性が薄いケースが多々見受けられます。
(2) データ分析力(アナリティクス)
データ分析力とは、文字通りデータ分析をする力です。DSと聞くと、データ分析力のある人というイメージがあります。確かに、データ分析力が必要ですが、それだけではダメです。
例えば、筋の悪いテーマを設定してしまうと、どんなに素晴らしいデータ分析をしても、事業貢献・利益創出といった成果が望めません。データを分析している時「これは何のために分析しているのだろう?」とか「誰がこの分析結果を使って、何をするのだろう?」とか、疑問を感じたことのある人も多いのではないでしょうか。その際は、そもそものテーマ設定を疑ってみましょう。
プロジェクトリーダーなり上司なり現場担当者に「データ分析の結果を使って、具体的にどのように活用し成果を出すのか?」と聞いてみてください。データ分析・活用のシーンが目に浮かばないようであれば、そのテーマは危ういのです。
(3) データ分析・活用の仕組み化力
筋のいいテーマを設定し、素晴らしいデータ分析をしても、それが現場に定着しないと、事業貢献・利益創出といった成果は望めません。現場でデータ分析・活用が定着するとは、言い換えると「データドリブン」の状態を現場に作ることです。そのためには、データ分析・活用の仕組みを現場に作る必要があります。
データ分析・活用をする仕組みを作ることで、データドリブンな状態を生み続けることができます。要するに、データ分析・活用の仕組み化力とは、現場にデータ分析・活用を定着させ、データドリブンな状態を作る仕組みを作る力です。データ分析・活用をする仕組みを作るには、机上では作れません。現場でデータ分析・活用を実践しながら、都度修正を加え作り上げていきます。
2. 今回のまとめ
今回は「データドリブンで成果を出し続けるDS人財に求められる『3つの力』」というお話しを...
しました。事業貢献・利益創出といった成果を出すDSに共通する力は以下の3点です。
課題設計力
データ分析力
データ分析・活用の仕組み化力
この3つの力がないからダメなDSであるとか、この3つの力を身に着けさえすれば素晴らしいDSになれるとか、そこまで極端なことは言いません。この3つの力があると、事業貢献・利益創出と言った成果を出しやすいなのではないかと思います。課題設定力とは、データ分析・活用で解決し、より良い方向にもっていくテーマを設定する力です。データ分析力(アナリティクス)とは、文字通りデータ分析をする力です。データ分析・活用の仕組み化力とは、現場にデータ分析・活用を定着させ「データドリブン」な状態を作る仕組みを作る力です。
この3つの力に共通する背骨にようなものがあります。それは「現場感」です。現場感のないデータサイエンスは、単なる数字遊びに過ぎないのです。