テーマ設定とギャップ分析 データ分析講座(その199)

 

 

データ分析・活用(データサイエンス実践)の「テーマ設定」の流れについて簡単に説明します。テーマ設定の入口は、現場の「お困りごと」(問題)です。出口は、テーマ選定マトリクスを使ったテーマ候補の評価結果です。その評価結果をもとに、優先順位付けを行い扱うテーマを選択します。テーマ設定の入口である現場の「お困りごと」(問題)を考えるとき、ギャップ分析を実施します。

今回は、「テーマ設定とギャップ分析」というお話しをします。

◆関連解説『情報マネジメントとは』

【目次】

1.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ
2.ギャップ分析
3.理想(To-Be)と現状(As-Is)のどちらを先に考えるべき?
4.「理想(To-Be)」から考えた方がいい理由
5.ギャップと考えると問題は4タイプある
6.「原因(要因)の課題化」もギャップ分析

 

1.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ

前回の復習です。前回は、「データ分析上必須な2つのロジカルシンキング」というお話をさせて頂きました。この中で、系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れを紹介しました。

以下です。

【1】お困りごと(問題)の設定
【2】問題の要因(原因)の洗い出し
【3】原因(要因)の課題化
【4】課題の解決策の案出
【5】解決策のデータ活用の可能性検討
【2】および【4】で系統図(ロジックツリー)を作り検討していきます。

【1】と【3】でギャップ分析を実施します。

今回のお話しは【1】に関するものが中心で、【3】にも若干触れます。【5】は次回お話しします。

 

2.ギャップ分析

ギャップ分析は、理想(To-Be)と現状(As-Is)の差異を捉え、そのために何をすべきかを考える課題抽出法です。通常は、定量分析というよりも定性分析に分類されます。課題抽出時に、前回お話ししたようなロジカルシンキング的な手法を使います。

 

前回お話ししましたが、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」を「問題」と定義します。

 

これをさらに「数値」でも表現しましょう。

 

 

3.理想(To-Be)と現状(As-Is)のどちらを先に考えるべき?

たまに次のような質問を受けます。「理想(To-Be)と現状(As-Is)のどちらを先に考えるべきでしょうか?」結論は、どちらでもいいです。考えやすい方からでいいでしょう。

 

個人的には、「理想(To-Be)」から考えた方がいいと感じています。なぜでしょうか?

 

4.「理想(To-Be)」から考えた方がいい理由

精神的な理由で、「現状(As-Is)」から考えると心が暗くなり、しかもその後に考える「理想(To-Be)」が小さくなります。なので、現状無視で夢見る感じで「理想(To-Be)」を考え、心晴れやかな状態で「現状(As-Is)」を考えるのがいいです。

 

5.ギャップと考えると問題は4タイプある

 

 

現場の「お困りごと」(問題)と言っても、今現在の「問題」だけでなく、今後起こるかもしれない「問題」も対象に入ります。さらに、ネガティブな状態を解消する「問題」だけでなく、ネガティブな状態ではないけれど、よりポジティブな状態にすべきことも「問題」と考えます。したがって、「問題」は大きく次の4つに分類されます。

 

6.「原因(要因)の課題化」もギャップ分析

先ほど、【3】の「原因(要因)の課題化」もギャップ分析であることに言及しました。前回もお話ししましたが、【3】の「原因(要因)の課題化」のギャップ分析も、基本は理想(To-Be)と現状(As-Is)の差異を考えます。

 

【1】の「お困りごと(問題)の設定」のギャップ分析で「問題」を定義し、【2】の「問題の要因(原因)の洗い出し」でロジカ...

ルシンキングで原因を炙りだします。

 

 

炙り出された「原因」が、「現状(As-Is)」になります。この「原因」に対処し「より良い状態」にするのが「課題」です。この「より良い状態」が「理想(To-Be)」です。

 

 

「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」が「課題」になります。「現状(As-Is)」のままであれば、課題にならないということです。実際に、ほったらかしにする原因や、どうしようもない原因は、課題になりません。ちなみに、【3】の「原因(要因)の課題化」のギャップ分析は、「現状(As-Is)」が既に明確になった状態で実施します。

 

 

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