【この連載の前回へのリンク】
クリーン化は、安全とも密接な関係があります。これまでの連載記事で説明して来ましたが、今回、まとめてみます。
クリーン化は、地味なことを地道にやる活動ですが、その重要さが理解されていないと、仕事の一環と言う意識が薄くなります。ゆえに余りやりたがらない活動でもあります。直ぐに成果が見えにくい活動であり、敬遠されてしまうのです。
そして、成果主義を強調しすぎると、成果が見えやすい方になびき、クリーン化活動は軽視されます。
全体活動が好ましいのですが、ひとたび事故、災害が起きると、「クリーン化なんかやったので怪我をした」と言う被害者意識や、やりたくない理由が出てきます。昔から、“ケガと弁当は自分持ち”と言われます。結局自分が痛い思いをするのですから、それを避けたい気持ちもわかります。元々やりたくなかったのに、そこに理由付けができ、徐々に遠ざかってしまいます。
こうなると、やる人、やらない人、やりたくない人が出てきて、全員活動にならなくなってしまいます。そうならないよう、安全にも配慮をするということも必要です。安全の確保はすべてに優先させることです。
事故、災害は労働災害になります。その当事者がつらい思いをするだけでなく、会社にとっても大きな損害です。
以前、現場診断で訪問した現場で、「結束バンドの尻尾を切りましょう」と言ったところ、「クリーン化の診断なのに、なぜ安全のことも言うのか」と言われたことがある、と書きました。安全は最優先のことですから、そこを確保しないと、他の活動に影響するわけです。
また、大きな事故、災害が起きるとか、再三指摘されても対応しないということになれば、その会社は従業員を大切にしていないとか、不安全な環境なの...
だということで、信頼を損ねてしまうかも知れません。その先を考えると、企業イメージが低下し、経営にも波及するでしょう。
まず、安全な職場、現場であることを前提とし、その上で各活動を推進していただきたいと思います。次回から、事例を紹介します。
◆関連解説『環境マネジメント』