クレーム率シングルppmをゼロに(3) 【快年童子の豆鉄砲】(その58)

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仕事

 

1.「連関図」からの結論の引き出し方

1)結論引き出しのタイミング

テーマへの結線を考えず、ただひたすらにカード相互の因果関係の徹底的追求を続けた結果到達する「これ以上の結線は、テーマに対してしかできない状態」が、結論引き出しに取り掛かるタイミングだというのは【快年童子の豆鉄砲】(その57)クレーム率シングルppmをゼロに(2)で述べた通りです。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その57)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

問題なのは、これ以上カード相互の因果関係は存在しないとの“確信”が中々持てないことで、そう言った中途半端な気持ちのまま結論引き出しに取り組んでも思うような結論を手に入れることができないことです。

 

そこで、この“確信”を手に入れる方法ですが、熟成度指数jを計算してみて、【j<1.8】であれば、まだ結線できるものがあるはずだとし、【j≧1.8】であれば、まず大丈夫だと思うが確認しておこう、と言った姿勢でカード間の因果関係の追求を再度実施すると、筆者の経験ですが、非常に不思議なことに、もうないと思っていた因果関係が見つかり、結果として“確信”を手に入れることができるのです。

 

このステップを踏んで“確信”を手に入れておきますと、結論引き出しに集中でき、しかるべき結論を手に入れることができますので、熟成度指数の効用の一つとして参考にして頂ければと思います。

 

2)結論引き出しのための“まとめカード”の作り方

連関図法の結論の引き出し方のポイントは、テーマにしか結線できないカード群をよく吟味して、何枚かのカードの言い分を汲み取った“まとめカード”を作る作業を繰り返し、最終的にテーマに結線すべきと判断できるもの(“最終カード”と呼んでおり、大抵の場合これが結論になります)に行き着くまで頑張ることです。

 

ただ、テーマが「なぜ不良品が発生するのか?」のように、ダイレクトに原因を求める場合と、この事例のように「なぜ誤作業が起こるのか?」と言うテーマで集めた言語データの解析で誤作業を発生させる“体質”を把握したい場合とでは、“まとめカード”の作り方が全く違ってきますので要注意です。

 

前者の場合、カードの内容をテーマに対する“原因”と捉えて、それぞれのカードの内容に対して「だから?」との問いかけを重ねることにより高次の原因“まとめカード”を手に入れることができ、それを続けることで “最終カード”に行き着き結論を手に入れることができます。

 

ところが、後者の場合、前者の要領で、必死で取り組んだのですが何時まで経っても埒が明かず途方に暮れたのです。

 

悩んだ末、気が付いたのは、こちらの場合、テーマはあくまで“体質”を把握するための言語データ採取の手段で、欲しい結論は“体質”であり、言語データ、即ち、カードは、その“体質”が生み出した“結果”として読み取るべきではないかということです。

 

そこで、カードに対する問いかけを、カードの内容のような結果になったのは「なぜ?」にしてみたところ、しかるべきまとめカードを手に入れることができ、次弾でご紹介しますような、膝を打つような結論を手にすることができたのです。

 

この両者のまとめカードを見比べてみますと、前者の場合、カードからの矢線がまとめカードに向かって結線されているのに対し、後者の場合は、まとめカードからカードに結線されることになります。そこで両者を区別すための命名を、矢線の方向に因んで、前者を“順行まとめカード”、後者を“逆行まとめカード”にしており、今後は、間違いなく後者に類するテーマが勝負所になると思われますので、参考にして頂ければと思います。

 

3)結論引き出しをガイドするカードの活用

言語データ解析の妙味は、データに潜在する思いをくみ取って引き出した結論が、発言者の中でもやもやしていたものをはっきりとした形にした膝を打つようなものである点なのですが、数値データ解析のように、公式にデータを投入すれば結果が出るようなわけには行かず、テーマごとに新たなノウハウが必要なくらい難しいのが難点です。

 

特に、熟成が完了した連関図から、どのようにして「問題の全貌をとらえ、結論を引...

仕事

 

1.「連関図」からの結論の引き出し方

1)結論引き出しのタイミング

テーマへの結線を考えず、ただひたすらにカード相互の因果関係の徹底的追求を続けた結果到達する「これ以上の結線は、テーマに対してしかできない状態」が、結論引き出しに取り掛かるタイミングだというのは【快年童子の豆鉄砲】(その57)クレーム率シングルppmをゼロに(2)で述べた通りです。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その57)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

問題なのは、これ以上カード相互の因果関係は存在しないとの“確信”が中々持てないことで、そう言った中途半端な気持ちのまま結論引き出しに取り組んでも思うような結論を手に入れることができないことです。

 

そこで、この“確信”を手に入れる方法ですが、熟成度指数jを計算してみて、【j<1.8】であれば、まだ結線できるものがあるはずだとし、【j≧1.8】であれば、まず大丈夫だと思うが確認しておこう、と言った姿勢でカード間の因果関係の追求を再度実施すると、筆者の経験ですが、非常に不思議なことに、もうないと思っていた因果関係が見つかり、結果として“確信”を手に入れることができるのです。

 

このステップを踏んで“確信”を手に入れておきますと、結論引き出しに集中でき、しかるべき結論を手に入れることができますので、熟成度指数の効用の一つとして参考にして頂ければと思います。

 

2)結論引き出しのための“まとめカード”の作り方

連関図法の結論の引き出し方のポイントは、テーマにしか結線できないカード群をよく吟味して、何枚かのカードの言い分を汲み取った“まとめカード”を作る作業を繰り返し、最終的にテーマに結線すべきと判断できるもの(“最終カード”と呼んでおり、大抵の場合これが結論になります)に行き着くまで頑張ることです。

 

ただ、テーマが「なぜ不良品が発生するのか?」のように、ダイレクトに原因を求める場合と、この事例のように「なぜ誤作業が起こるのか?」と言うテーマで集めた言語データの解析で誤作業を発生させる“体質”を把握したい場合とでは、“まとめカード”の作り方が全く違ってきますので要注意です。

 

前者の場合、カードの内容をテーマに対する“原因”と捉えて、それぞれのカードの内容に対して「だから?」との問いかけを重ねることにより高次の原因“まとめカード”を手に入れることができ、それを続けることで “最終カード”に行き着き結論を手に入れることができます。

 

ところが、後者の場合、前者の要領で、必死で取り組んだのですが何時まで経っても埒が明かず途方に暮れたのです。

 

悩んだ末、気が付いたのは、こちらの場合、テーマはあくまで“体質”を把握するための言語データ採取の手段で、欲しい結論は“体質”であり、言語データ、即ち、カードは、その“体質”が生み出した“結果”として読み取るべきではないかということです。

 

そこで、カードに対する問いかけを、カードの内容のような結果になったのは「なぜ?」にしてみたところ、しかるべきまとめカードを手に入れることができ、次弾でご紹介しますような、膝を打つような結論を手にすることができたのです。

 

この両者のまとめカードを見比べてみますと、前者の場合、カードからの矢線がまとめカードに向かって結線されているのに対し、後者の場合は、まとめカードからカードに結線されることになります。そこで両者を区別すための命名を、矢線の方向に因んで、前者を“順行まとめカード”、後者を“逆行まとめカード”にしており、今後は、間違いなく後者に類するテーマが勝負所になると思われますので、参考にして頂ければと思います。

 

3)結論引き出しをガイドするカードの活用

言語データ解析の妙味は、データに潜在する思いをくみ取って引き出した結論が、発言者の中でもやもやしていたものをはっきりとした形にした膝を打つようなものである点なのですが、数値データ解析のように、公式にデータを投入すれば結果が出るようなわけには行かず、テーマごとに新たなノウハウが必要なくらい難しいのが難点です。

 

特に、熟成が完了した連関図から、どのようにして「問題の全貌をとらえ、結論を引き出すか」が難しいのですが、今のところ、表40-1の5種類のカードを結論引き出しのガイドにするのがいいのではないかと思っています。

 

表40-1 連関図解読時、結論引き出しをガイドするカードと活用上の注意点

 

次回に続きます。

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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