ここのところ、日本の半導体製造に動きが出てきました。シリコンアイランドと呼ばれる九州、中でも熊本県ではすでに半導体工場の建設が始まっています。また、北海道の千歳市でも、これから半導体工場が建設されることが報道されています。
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ものづくりに携わっていた者として、嬉しいことだと思います。これを機に、日本のものづくりが元気になって欲しいものです。その企業だけでなく、構成する裾の広いサプライチェーンと言う血管に血液や栄養が流れるのです。想像以上に多くの企業が関わるでしょう。その一つ一つが毛細血管のように、あるいは大木の根の、さらに毛根と言われる企業、組織が関わると思います。
従って、一つの血管に支障が出れば、それ以降のサプライチェーンは機能障害を起こすでしょう。元々、これらのことも含んで企業活動が始まるのでしょうが、予期しないことも起きるかも知れません。例えば、少し前の明治用水の取水口のトラブルのように。
私は定年退職の1ヶ月前に、偶然、腹部に大動脈瘤が発見されました。これは、痛くも痒くもないので、発見が遅れることがあります。手術前に、他にも不具合がないか検査入院したところ、心臓の冠動脈にも異常が発見されました。画像を見せてもらったところ、血液が通過後、血管が消えてしまうように見えました。血管の細部には何カ所かありました。細かなところまでは処置できないが、太い血管にはステントを入れることになり、大動脈瘤除去手術後、そちらも手術しました。
画像を見て、この血管一本、一本がサプライチェーンのようだと思いました。日頃から気を遣い、心身ともに健康でなくてはいけないのだとつくづく思いました。
少し逸れますが、数年前に、大手半導体メーカーの新入社員教育で、クリーン化を担当したことがありました。このような大きな企業のクリーン化は、私が学ぶべきであり、教育を担当できるのだろうかと少々不安でした。色々聞いてみると、専門分野の技術、技能は当然高いレベルにあるが、新入社員には基礎をまずしっかり学んで欲しいと言うことでした。基礎をきちんと習得していれば、経験を重ねていく過程での考え方や応用面で効果が期待でき、ものづくりの現場体質が強固になるのですね。品質は現場で作り込まれるのですから。
自動化が進み、人が介入する部分は少ないでしょうが、全く関わらないのではないでしょう。あるいは設備、機器などの修理では当然関わりがあるはずです。
話を戻します。先ほどのサプライチェーンの一つ一つの企業も、血流が乱れないよう、最初からきちんと基礎を押さえておきたいです。クリーン化はものづくり企業の競争力です。従って、その技術、ノウハウは門外不出として扱われてきました。その結果、サプライチェーンの中でも、クリーン化のノウハウを知らない、持ち得ていないところもあるわけです。そのような部分から劣化が始まるのではないでしょうか。
先ほどのように、多くの企業が動き出すわけですから、早い段階から血流が阻...
いざ生産活動が始まったその後、次から次へと血管にほころびが発生してしまうことをできるだけ避けておきたいです。このことは、当然考えているはずでしょうが、裾が広い故に用意周到に、落ちがないかを常にチェックする機能を持っておきたいです。被害の範囲をできる限り少なくする、予防保全や問題を上流から押さえる発生源対策と同じ考え方ですね。
次回に続きます。