1. 失敗を恐れず、やらせてみる
クライアント先の現場を歩いていた時、作業をしているオペレーターが、手空き時間を使って声をかけてくれました。その話の内容は、この数ヶ月間に行った改善内容と、これから「どうしたい」といった、先を見越した話でした。
- 製品やツールなど、取りにくい配置だった物を取りやすくした。
- 図面や作業手順書など、すぐにアクセスできるよう保存方法を変えた。
- 机がぐらぐらして、手書きのチェックシートが書きにくかったので固定した。
次から次へと改善内容の話が広がります。
そして、彼らは「改善をして、新たに気付いた事」へと話題を移したのです。その内容は、これからどうしたい、といった内容の話で、既に改善を終えている場所に「更なる改善を施す」と熱く語りはじめたのです。今回は「やらせてみせて、気付きを与える」についておはなしします。まずは、失敗を恐れず、やらせてみる。これが、改善活動が定着し、進化する企業の特徴です。
2. 改善活動 が盛り上がる会社とは
改善活動が定着し、活動自体に盛り上がりをみせる会社では、次の様な特徴があります。
- 失敗前提で、改善をやらせてみる。
- その行動から、気付いた事を話させる。
- その話の内容から、新たな改善策に気付かせる。
この3つです。
改善は、日頃業務の中で気付いた小さなムダを取り除き、これを繰り返し行う行動です。つまり、まず最初に、ムダに気付かせることが大切です。
- ムダに気付くからこそ、改善意識や意欲が生まれてくるもの。
- ムダに気付かなければ、これら意識や意欲は生まれてきません。
リーダーであるあなたは「いかに、気付かせるか?」という雰囲気作りが試されます。しかし、いままで通りの仕事をしていて、ムダに気付くことは皆無でしょう。なぜなら、その動きに慣れてしまって、ムダがあることに気付けないのです。では、どのようにしてムダに気付かせたらよいか?それは...
3. 行動から経験が生まれ、経験から思考が生まれる
ここでいう変化とは、例えば
- ここの製品は取りにくい感じなので、ちょっと高さを変えてみよう。
- これでは、図面が探しにくいので、平積みを止めてみよう。
- ここは清掃しにくいので、清掃道具を変えてみよう。
など既存の作業の流れに変化を与えます。
まずは、半分強制的に作業に変化を与えるのです。そして、時間をおいて、このように聴いてみることです。
「作業の流れが変わって、面倒になったことありませんでしたか?」と。
変える事によって、不便になった、とか、やりにくくなったことを聴いてみます。そして、もしその作業の流れに「やりにくい」が見つかったら、どのようにしたら「やりやすくなるか?」を共に考えたり、考えさせたりするのです。改善が定着し進化する会社は「考える前に変化を与える」ことをやっています。
改善活動が定着しない会社では「ムダを見つけて、ムダ取りを考えて」といった指示が多い傾向があります。つまりは、まずは「考える」ことを要求してしまうのです。
改善は「行動から経験が生まれ、経験から思考が生まれる」がフィットします。
- まずは、やらせてみる。
- 行動することで、気付きを得る。
- 気付きから、アイデアを生む。
まずは、失敗を恐れずやらせてみる。失敗前提で、改善を促してみませんか?