溶解度線の析出量:金属材料基礎講座(その162) わかりやすく解説

 

◆ 溶解度線の析出量

多くの状態図では固溶体が見られます。そして、固溶体の溶解度は温度とともに低下する傾向があります。その結果、固溶体から別の相の析出が起こります。この時の析出量は状態図の溶解度から読み取ることが出来ます。

 

下図に共晶型状態図の例を示します。赤線で示したA-15%B合金について考えます。温度Tの共晶温度においてA-15%B合金は全てα相となります。そして温度が低下すると緑の溶解度に従ってβ相の析出が起こります。なお、A-90%B合金はβ相からα相の析出が起こります。この時の横軸のS、T、V、Wはそれぞれ以下の意味があります。

 

図.共晶型状態図の例 

そして析出量はこれら固溶限の値を使用して式(1)、(2)のように表されます。これは室温において点Tを支点にした「てこの原理」にもとづいて計算しています。即ちα相はWT、β相はTS、分母はWSになります。A-90%B合金は点Vを支点とした「てこの原理」になります。

 

次回に続きます。

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