愚痴というと、ネガティブな感覚を持つ方が多いと思いますが、NLP(神経言語プログラミング)注.やLABプロファイル(行動言語プロファイリング)を活用することで、愚痴をしっかりマネジメントし、職場雰囲気の改善につなげることができます。今回は、職場における愚痴の重要性と、それをポジティブなフィードバックに転換するファシリテーターの役割についてのおはなしです。心理的安全性で社員のモチベーションUP!未来の組織を見据えるビジネスリーダーや人事担当者は、愚痴を健全な形で受け止め、それを建設的なエネルギーに変えるための環境を整えるべきです。
1. 愚痴がもたらす心理的効果
愚痴を言うことは、ストレス管理の一環として極めて重要です。心理学的な観点から見ると、愚痴ることは個人の感情を外部に放出し、内面のストレスを軽減する役割を果たします。例えば、米国心理学会(APA)が発表した研究によれば、ネガティブな感情を表現することにより、その感情が和らぐことが示されています。また、愚痴ることで内面の感情や意思を言葉にして整理することで「あっ!」っと何かに気付き、ネガティブな感情がポジティブに変わることもあります。
愚痴は、これを言うことで脳内の快感を引き起こすドーパミン(神経伝達物質)が放出されます。ドーパミンは、脳で作られる「幸せ物質」で、気分を良くしたりやる気を出させる働きをします。これにより、一時的に気持ちが軽くなる効果が期待できます。そう、愚痴を言うことは、雨空メンタルから快晴メンタルに切り替えるために、大切なことなんです。ただ、愚痴を長時間続けると、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加するため、長期的には心身に悪影響を及ぼす可能性があります。愚痴を聴くつもりが、お互い愚痴を言い合い、ため息をつくことは避けたいですね。
2. 愚痴を言い合えるチーム作りに必要なスキル
愚痴を健全な形で処理するためには、その場の雰囲気を支え、ネガティブなエネルギーをポジティブな方向に変換するファシリテーターの存在が大切です。ファシリテーターは、ただ単に愚痴を聴くだけでなく、その中から建設的な要素を見つけ出し、チーム全体が前向きになるように導くスキルが求められます。もしもあなたが、愚痴の言い合えるチームを作り上げたいのなら、ファシリテーターとして次のスキルを磨くことが必要です。
(1)アクティブリスニング
部下や後輩の話を注意深く聴き、共感を示すことは基本です。これにより、相手は理解されていると感じ、心理的な安全性が確保されます。
(2)リフレーミング
ネガティブな言葉や意見を、ポジティブに変換します。例えば「このプロジェクトは失敗だ」と言う人に対し「では、この経験から何を学べるだろうか?」と問いかけます。リフレーミングは、その言葉や文脈に変化を与えポジティブな気付きを促すことが...
(3)感謝の意識を高める
愚痴の場面でも、何かしら感謝すべき点を見つけることで、ポジティブなメンタリティを養います。「それって単なる愚痴でしょ?」とは言わず「それは確かにストレスが溜まる状況だね。きつい思いをしているのがよくわかるよ。話してくれてこっちも嬉しいよ。」「どの部分がストレスマックスなのか、聴かせてほしいなぁ。」「どうしたら良いと思ってる?解決は無理だと思っていても話しを聴かせて。」「何か取りかかってみると良いけど、簡単にすぐにできることってなんだろう?私に手伝って欲しいこととかありますか?」「気分が良くなったといってくれて、ありがとう。嬉しいですよ。」といった具合に、所々に感謝の気持ちを言葉にして入れてみてください。
3. 愚痴れる職場がもたらす良い影響
このように愚痴れる職場は、ワークエンゲージメントなどに良い影響を与えます。具体的には次のようなことです。
(1)心理的安全性の向上
愚痴が言える環境は、心理的安全性の向上に寄与します。これにより、従業員は自分らしく表現できる場を持ち、心の健康を保つことができます。
(2)コミュニケーションの促進
愚痴を言えることは、コミュニケーションの円滑化にも繋がります。課題や問題点が早期に発見されることで、迅速な対応が可能となります。
(3)チームビルディング
共通の課題に対して意見を交換することで、チームの結束力が高まります。
4. 愚痴を活かしたマネジメント
もしもあなたの職場で、愚痴れるファシリテーターを活かしたいと思うのなら、マネジメントの仕組みとして構築し維持することも大切です。そして、労働安全衛生文化や食品安全文化の醸成に、繋げられるような活動にしてみてください。
(1)トレーニングと教育
ファシリテーター候補者への定期的なトレーニングを実施し、リフレーミングやアクティブリスニングなどのスキルを磨くことが重要です。このトレーニングの中には、ロールプレイングやフィードバックセッションも含めると効果的です。また、トレーニングは、コーチングのテクニックを会得するのでなく、テクニックの背景にある原理原則を理解できるように、コンテンツを工夫して計画すると良いでしょう。
テクニックだけを学ぶ内容だと、ロールプレイングで経験したシーンでは、適切な対応ができるようになりますが、実際に現場では、ロールプレイングで経験していないことばかりが起きます。どのようなシーンでも柔軟に対応できるようにするためには、原理原則を学ぶことが大切です。原理原則を学ぶことは、時間がかかりますが、中長期的に未来を見据えると無駄にはなりません。
(2)明確なガイドラインの整備
愚痴を言うことの意義と、それをどのようにポジティブに転換するかについて、明確なガイドラインを設けることが必要です。公式に「愚痴をファシリテーターに言ってみよう!」や「言わないより言った方がまし!」といった職場環境を整備します。これにより、愚痴が単なる発散行為にとどまらず、学びや改善の機会となります。
(3)定期的なチェックインとフィードバック
定期的なミーティングを設けて、部下や後輩の意見や感情を把握することも重要です。ファシリテーター役がその場を仕切り、愚痴が単なるネガティブな発言で終わらないように、サポートしてください。
(4)ポジティブ文化の醸成
社内において、ポジティブな文化を醸成することもまた重要です。感謝の気持ちを積極的に表現し、互いにリスペクトし合う環境を整えることで、愚痴をポジティブなエネルギーに変容します。
5. まとめ
今回は、職場における愚痴の重要性と、それをポジティブに転換するファシリテーターの役割について説明しました。心理学や脳科学の観点から見ると、愚痴を言うことで一時的にストレスが軽減され、心理的安全性が向上することが明らかになっています。しかし、これが長期的にポジティブな影響をもたらすためには、ファシリテーターの介入が不可欠です。
- 愚痴の心理学的効果と課題とは?
- ファシリテーターの役割とスキルってなに?
- 愚痴を健全に処理するためのマネジメントの大切さ
ぜひ、未来の組織を見据えるビジネスリーダーや人事担当の方は、愚痴を健全な形で受け止め、それを建設的なエネルギーに変えるための方法を取り入れてみてください。愚痴として片付けず、職場改善のチャンスとしてとらえてみませんか?
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