「技術の転用化」で、完成品の技術を従来と全く異なる市場にマーケットインしたクライアントの事例を紹介します。
C社は、ニッパー等の工具を製造販売し、24ヶ国に輸出する創業88年の老舗です。市場はB2B、B2Cの両方で、工具という完成品の形で販売していました。C社の技術の強みは、20㎛以下の薄刃の隙間形成技術によって、抜群の切れ味の良さを実現している事です。
このニッパーの切れ味の強みと安定した量産技術の強みを求めて、全く異分野の美容業界から、爪切りとしての技術転用依頼が来ました。異分野のニーズに応え、10万個のニッパー爪切りを量産して実績を積みます。その後、ネイル市場が成長期を迎えた時に、本格的にネイル業界のカリスマと協業。意匠(工業デザイン)をネイルニッパー用に変更し、製品ラインナップを立ち上げました。ネイルニッパーは2013年9月には新ブランドも立ち上げて、売上の10数%を占める同社の2本目の事業に成長しました。
更に、ネイルと女性をキーワードに、“かわいい”感性に注目。ニッパーのイメージからの脱却を図り、ハート型爪切りも開発し、『かわいい感性デザイン賞』の新潟地区賞を受賞しています。
写真3 開発品(左)とプロ用ネイルニッパー(右)
以上のように、自社の競争力は、際立った経営資産と市場の成長力の掛け算で決まりまる。まずは自社技術を抽象化し、技術の見える化で自社の強みを際立たせてみます。
異分野こそがアイディアの宝庫です。異分野の成長市場と協業し、化学反応を起こすことで、新しい価値を生み出します。製品...
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