【物流BCPについて考える 連載目次】
作業者の多能工化を図ったり、フールプルーフを導入して作業の容易化を図ったりするといった、会社のマネジメントサイクルを回すことがBCPの負担軽減につながることを前回までに解説しました。尚、これ以外にもBCP負担軽減の方策はありますので、今回は購入資材の調達先の複数化についてです。
1. 物流BCP:サプライチェーンの途絶防止
梱包資材を一社だけから購入することはコスト削減のテーマとしてはよくある考え方です。購買行為の原理原則と言えるかもしれません。コストではメリットがあっても、もしこの資材メーカーが倒産したり、災害で被災したりするとたちどころに資材が入ってこなくなってしまいます。
このようなサプライチェーンの途絶を防ぐために二社から購入することを考えるべきです。たしかにコストは一社発注時より不利になるかもしれません。しかし有事に資材が調達できず、得意先に迷惑をかけることはさらに大きなリスクであると考えられます。
2. 物流BCP:資材の汎用化
梱包資材の共通化や汎用化も方策の一つでしょう。特殊な梱包資材を使っていた場合、その調達が途絶えると得意先へのサービスもストップしてしまいます。資材を汎用化しておけば調達も比較的容易にできると考えられます。このメーカーからしか買えないといった、特殊な資材は通常時に減らしておくことが望ましいでしょう。
あわせて梱包資材の種類数も削減しておきましょう。そうすることで梱包資材の一種類当たり調達量が増えることになるため、調達コストの削減にもつながります。
3. 物流BCP:防災訓練
常日頃の準備がBCPの負担軽減につながる...
次のアイテムは日常の防災訓練です。いくら立派な文書化を行ったとしても、それが有事に使えなければ何の意味もありません。日頃から防災訓練を実施しておけば、人的被害も少なくて済む可能性があります。人的被害が少なければそれだけ復旧も早くなります。他社に応援を依頼したり、人材を新たに採用したりすることも必要なくなるかもしれないのです。
次回に続きます。