◆ 物流子会社の役割と市場価値
メーカーは物流子会社を持つ傾向にありました。「ありました」という表現を使わせていただいたのには訳があります。それは最近、この傾向が変わってきたからです。それはずばり「メーカーが物流子会社を手放しにかかっている」ということなのです。
メーカーが子会社の物流会社を物流専業会社に売るケースが目立ってきています。ではなぜ物流子会社が売られてしまうのでしょうか。
この点について少し考えてみましょう。メーカー子会社の役割は何でしょうか。かつての子会社の役割は次のように2つありました。
- 親会社に対して他では出せないような良い価格を提示すること
- 親会社の人材を受け入れること
異論はあるかもしれませんが、本音はこの2つであったと思います。今でもこのように考えているメーカーもあるかもしれません。物流子会社は収益性の高い外販(親会社以外への販売)で儲(もう)け、親会社に貢献する、つまりどこも出せないような安い価格でサービスを提供することが求められたのです。
ではこのニーズに対して、物流子会社は応えることができたでしょうか。もしその回答が「No」であれば、厳しい見方ですが存在する意味がないということでしょう。
もっとひどい場合は「パラサイト子会社」となってしまっている実体です。親会社が無理な要求をするから儲からない、親会社の仕事が減ってしまって困る、などといった言葉が会社内で交わされていたとしたら要注意です。
残念ながらこういった言葉が出る物流子会社は、親会社...
物流子会社は親会社に貢献はしても、間違っても親会社から養ってもらってはならないのです。もしこのような状況であれば、買ってくれる物流専業者も出てこないでしょう。なぜなら、そのような物流子会社は市場価値が無いとみなされるからです。
次回に続きます。