◆ 荷主の思いと期待値
荷主会社が物流をアウトソースした際に時々次のような意見が出ます。
- 「思っていたほど物流改善が進まなかった」
- 「期待していたほど物流コストが下がらなかった」
- 「物流が変わった気がしなかった」
もちろんこの反対に物流コストが明確化された、改善が進んだというポジティブな意見もあります。しかしこのような期待外れだったという意見には謙虚に耳を傾ける必要がありそうです。
では、なぜこのような意見が出るのでしょうか。意見の中に含まれているキーワードに注目してみましょう。そのキーワードとは「思っていたほど」と「期待していたほど」の2つです。
これは当然の話ですが「荷主が」思っていたことであり、期待していたことなのです。それに対しての結果を評価しているのです。ここで大切なことは「思っていたこと」や「期待していたこと」を相手である物流会社に伝えていたかということです。
特にこれらについては発注前に「仕様書」の中に明記していることが望まれます。そうでなければ相手に思いは伝わりません。
伝わるようにしていなかった荷主側の責任と考えた方がよさそうです。よく物流業務が開始されてみると意外だったと感じることがありますが、それは準備不足だったと考えた方がよさそうです。
それだけ購入側の準備は慎重に行う必要があるということです。一方で購入側の意思が不明確な場合、サービス提供側はそれらについて事前に確認すべきなのです。
つまり荷主は自分たちが物流会社にやって欲しいことを正しく伝える必要があり、物流会社側は不明な点についてはあらかじめ確認しておく姿勢が大切だということなのです。特にまだまだ物流業務をアウトソースしようとしている会社...
そこでその点を補足する意味でも物流会社は取引開始後に考えられそうなあいまいな点について荷主をリードしながら確認していくとよいでしょう。取引開始後に何かあるとお互い不幸ですから、まずにこの点について注意しておくことが望ましいと思います。
次回に続きます。