◆ 東南アジアの会社指導
サプライヤーさんにとって私たち購買サイドが無ければビジネスがやっていけないわけですが、私たちのビジネスも協力会社さんの協力なしには成立しません。
ということでお互いにWin-Winになるようなしかけが必要になります。私たちは品質の良いものをより安く購入できることを目指します。サプライヤー側ではより取引額が拡大するように望むでしょう。これを共通目標と意識することでどのような活動を実施していくべきかについて検討する必要が出てくるのです。
私たちが求める品質を出してもらうためには品質目標を定め、それを達成できるように支援していくことが望ましいと思います。サプライヤーの製造現場があまりにも乱雑で5Sができていないようであると品質不良は当然のごとく発生します。このような場合には5Sへの正しい取り組み方を教えてあげ、一緒に5Sの達成目標を設定して改善に取り組むべきでしょう。
よりよい価格で購入を求めているにもかかわらずサプライヤーが材料費で四苦八苦しているのであれば、こちらから材料を支給してあげることも一つの方法でしょう。このようにお互いのメリットのためにはお互いが汗をかく活動が必要になるのです。特に東南アジアのサプライヤーはまだまだQDCの向上に対する取組もノウハウも不足しています。
ここで日本の優れた管理技術を導入してあげると非常に効果があると思われます。東南アジアの会社はこのような技術の吸収に前向きですから、ぜひ指導してあげるとよいでしょう。もしかして彼らに指導をしたところで言うことを聞いてくれないのではないか、と懸念を抱く人もいるかもしれません。
たしかに多くの会社の方が東南アジアで改善が進まずに悩まれている事実もあります。しかしここは指導力の問題ということで自分たちの責任と考えたらいかがでしょうか。単なる押し...
このような指導力こそが今の購買担当者には求められているのです。単なる値切り屋ではなくトータルQDCを向上させ、サプライヤーを育成できる人こそが今後必要とされる購買人財なのです。