業種や企業規模を問わず、今や海外企業とのビジネスの機会はぐっと増えました。海外顧客、サプライヤー、海外生産など立場は違えど異文化コミュニケーションは必須となっています。最早外資系に勤めていなくてもEmailやプレゼン資料作成等、ビジネスで英語を用いる機会も珍しくありません。実践的英語力向上の一手段としてお薦めなのが英英辞典の活用です。
英語でEmailや報告書を作成する時、同じ単語やイディオムを何度も使い、語彙力が無く言い回しもワンパターンだなと感じる事がありませんか、語彙力やイディオムの意味を単純に覚える受験勉強的な方法だと実務での活用は困難です。やはり単純に覚えるのと、それを適切に使いこなすのは別物です。
翻訳サイトも数年前と比べるとかなり翻訳精度が向上しているので、英文資料の翻訳や日本語資料の和訳に利用している人も多いです。英語が苦手な外資系社員やIT業界など先端情報が海外から発信される企業の社員にも多いようです。
確かにウェブ検索はお手軽で、操作もほぼコピペで済むので効率が良いですが、誤った訳もまだまだ多いです。試しにNativeから来たメールを訳すと意味が伝わらない訳文になる事も少なくありません。
Easy come Easy goといいますが容易く手に入れたものは容易く失せてしまいます。英語力を高めたいと思っているのなら翻訳サイトの頻繁な利用はお薦めしません。語彙力を上げ、単語の使われ方を見るのに良い方法が英英辞典の活用です。 国語時点と同じで英単語の意味を英語で説明してあります。英英辞典を用いるメリットとしては次のような事が挙げられます。
•英和辞典の解説だけでは感じにくい細かいニュアンスが解る
•複数の意味を持つ単語の例文が参照できる
•例文からその単語の用い方を学ぶことが出来る
•わざわざ辞書を引き調べる事を習慣化することで記憶も良くなる
受験英語では単語帳に代表されるように事務的に単語の意味を覚えますが、実際に英文を作成するシーンでは訳語のまま使える単語はあまりありません。殆どの場合日本語をそのまま英語に直訳しても伝わらないので、英語特有の言い方を加味した上で”意訳”しなければなりません。この意訳がうまく出来るかどうかが英語力の違いとなって現れ、これを強化するのに英英辞典は一役買ってくれます。
英英辞典を使うことで英語を一旦日本語変換する頻度が減らせるので、英語で理解する癖が徐々についてきます。私も偉そうに言えるほど英語が出来るわけではないのですが、この方法で外資系企業で不自由が無い程度の英語力は養えましたのでお薦めです。
辞書を引くのは面倒臭いです。しかし英英辞典に慣れれば翻訳サイトや辞書サイトもこれまで以上に上手く活用出来るようになります。例えば、ある日本語の英単語を調べると多くの場合複数の候補が上がります。各単語の意味合いは微妙に異なるので、その先を調べたい時は英英辞典が活躍してくれます。
一方で英英辞典は全く英語が出来ない方が利用するとなると時間効率が悪すぎるので薦められません。日本語を全く知らない人に国語辞典が使えないのと同じ理由ですね。中学英語レベルの文法と多少の語彙力がある場合に効果的です。
英英辞典ならどれでも良いかと言うとそうでもありません。最初は良く吟味せず英英辞典ならこれ!と評判の某辞書を買いましたが、説明文が難解な英語で書かれており理解に時間がかかり非効率でした。英英辞典をこれから購入する方は、意味を知っている単語、知らない単語、複数の意味を持つ単語な...
どを実際に引いてみて確認する事をお勧めします。次のことが確認できるなら買っても良い辞書だと判断して良いかと思います。
•やさしい単語と平易な文で説明文が記載してある
•複数の例文が記載してある
•メジャーな訳語に注力して説明欄を割いてある
•類似語には違いの解説もある
因みに外資系は英語力が必要な所と言うより、英語でのコミュニケーションを抵抗なく受け入れられる人が歓迎される場です。重視されるのはあくまで実務能力であり、本当に英語力を必要とされるのは海外営業や顧客担当部門以外は課長級以上の管理職です。抵抗なく受け入れられるとは、恥ずかしがらず積極的に英語を用い、また上手い下手にかかわらず、周りがが英語を使うことを当たり前に受け入れる姿勢です。日本人同士でも英語でメールするくらいは当然と思うくらいが良いのではないでしょうか。