運輸安全マネジメントに取り組む 物流安全管理(その4)

 前回のその3に続いて解説します。
 
 運輸事業者自らが安全管理に取り組み、輸送の安全性の向上を図ることを狙いとして、「運輸安全マネジメント制度」が平成18年10月から導入されました。
 
 国土交通省の告示である「貨物自動車運送事業に係る安全マネジメントに関する指針」によると、「安全マネジメント」とは、「貨物自動車運送事業の運営において輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を貨物自動車運送事業の経営の責任者から全従業員に浸透させ、輸送の安全に関する計画の作成・実行・評価および改善の一連の過程を定め、これを継続的に実施するしくみをいう」とされています。
 
 つまり輸送の安全のレベルアップに向けてのPDCAサイクルを回していく活動だと言えるでしょう。そこですべての運送事業者は輸送の安全に努めなければならないということになるでしょう。
 
 一般貨物自動車運送事業者のうち、事業用自動車の保有車両数が300両以上の事業者は、安全管理規程等義務づけ事業者とされます。
 
 このような大規模な会社の場合、経営トップが現場のすみずみまで目を配ることは困難なため、安全管理規程の作成を義務づけることにより、事業者全体で輸送の安全を確保しようとしたわけです。また、安全統括管理者を選任することにもなっています。役割は多数の運行管理者等を統括させることにあります。
 
 さて義務づけられた安全管理規程ですが、これに輸送の安全を確保するための事業の運営方針や、事業の...
実施、管理体制に関する事項などを定める必要があります。これを定めたときは、国土交通大臣への届出が義務づけられています。安全管理規程を変更しようとするときも同様です。
 
 安全統括管理者は、輸送の安全の確保のための事業に関する業務を統括管理します。そのため、一定の実務経験がある者の中から選任することが必要になります。
 

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