多面的に現場を見る

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 クリーン化クリーン化という仕事は、強い思い入れと感性が必要なちょっと特異な仕事です。このことはクリーン化担当であれば、少なからず意識していると思います。でも仕事というとやらなければいけないという義務感、あるいは与えられたこと、やらされることという意識になりがちです。これでは自分の幅が狭く、また深みもありませんから良い活動には繋がりません。常に受動的ではなく能動的な意識を持つことが必要です。
 
 現場を良く巡回し不具合はないか、いつもと違ったことはないか注意深く観察する、あるいは利益に繋げるにはどうするかを考える。そしてこうでなくてはいけない、ここが問題だなど自分なりに分析し、対策を考えて、人を動かそうとする。しかし、なかなか人は動いてくれません。どう説明すれば理解してもらえるのかと日々悩むこともあるでしょう。
 
  人は“心に痛み、これではいけないという強い痛みを感じないと行動しない動物”です。これには感動を与える話し方も必要です。担当としては、強い思い入れを持っているつもりだと思います。その思いで現場を良くしようと日々注意深く観察しながら巡回すると、様々なものが見えてきます。その継続から感性が育つと考えています。言い換えると、強い思い入れが感性を育てるという表現が正しいように思います。
 
 よくクリーン化は感性だといわれますが、いきなり感性に直結するわけではなく、このような努力の結果感性が育つ、身に着くということです。こういう領域に入ると仕事という意識や義務感からは離れます。仕事という意識のままでは先の受動的な領域から出られず、心で見たり考えたりするまでには至りません。やらされるという受け身ではなく、自分を磨く、自分を高めるという能動的な意識に変えると色々なことに興味を持ってみるようになり、また沢山の発見もあるので話題も増えます。
 
 感性の鋭い人はそれなりにいろいろなことに長けている。幅のある人間だと思います。こういう人たちは理論理屈ではなく、前述のような意識で自分を高めて来たと思います。クリーン化担当として日常的、継続的に感性を磨き、自己を高めていこうと考えた場合、多くの人、特に同業種だけでなく、異業種の方とも交流すると、ものの見方を変えたり多面的に考えていくことができ、自分の幅を広げることや深さが出て来ると思います。
 
 異業種の方と意見交換すると、自分が正論だと思っていることがそうではなかったり、別な考え方が提示されたりする場面も出て来ます。この積み重ねから自分の考えがすべてではなく、沢山の見方考え方があるのだと気が付きます。異業種交流にはこのような価値があります。
 
 宝石のダイヤモンドは、基本的には44面カットと60面カットがあるそうです。どちらが良いいかは人それぞれですが、44面カットより60面カットの方が面が多い分乱反射が多く、より輝いて見える。つまり私たちに当てはめると、物事を見たり考えたりすることに幅や深さが増せば、より輝いた人になるということです。多面的に物事が見えるようになると、人に説明する時も画一的にならずその人にあった説明ができます。事例や引用を多用することで、説得力も増すと思います。改善案の提示でも一例だけでなく、いくつかの代替案も提示できます。
 
 このように人に説明、説得する場面では、相手に合わせ色々な面からアプローチできるようになるので、その時に発した言葉にも説得力があったり、重みを感じます。これが人を動かすきっかけになります。言っただけ、聞いただけで終わらず、相互の信頼や繋がりができます。こういう人が周囲に増えるほど自分の能力も高めることが出来ます。クリーン化担当としては、こんなふうに多面的な輝きのある日常を送りたいものです。
 
 ダイヤモンドは原石であるうちはただの石です。ただ、磨けば光ることが分かっている石なのです。それを磨くか磨かないのか、44面カットで満足するのか、60面カットに至るまで、或いはそれ以上に磨き続けるのかと、いうことです。自分が輝きを増してくると、どのような立場の方、どのような仕事の方と...
 クリーン化クリーン化という仕事は、強い思い入れと感性が必要なちょっと特異な仕事です。このことはクリーン化担当であれば、少なからず意識していると思います。でも仕事というとやらなければいけないという義務感、あるいは与えられたこと、やらされることという意識になりがちです。これでは自分の幅が狭く、また深みもありませんから良い活動には繋がりません。常に受動的ではなく能動的な意識を持つことが必要です。
 
 現場を良く巡回し不具合はないか、いつもと違ったことはないか注意深く観察する、あるいは利益に繋げるにはどうするかを考える。そしてこうでなくてはいけない、ここが問題だなど自分なりに分析し、対策を考えて、人を動かそうとする。しかし、なかなか人は動いてくれません。どう説明すれば理解してもらえるのかと日々悩むこともあるでしょう。
 
  人は“心に痛み、これではいけないという強い痛みを感じないと行動しない動物”です。これには感動を与える話し方も必要です。担当としては、強い思い入れを持っているつもりだと思います。その思いで現場を良くしようと日々注意深く観察しながら巡回すると、様々なものが見えてきます。その継続から感性が育つと考えています。言い換えると、強い思い入れが感性を育てるという表現が正しいように思います。
 
 よくクリーン化は感性だといわれますが、いきなり感性に直結するわけではなく、このような努力の結果感性が育つ、身に着くということです。こういう領域に入ると仕事という意識や義務感からは離れます。仕事という意識のままでは先の受動的な領域から出られず、心で見たり考えたりするまでには至りません。やらされるという受け身ではなく、自分を磨く、自分を高めるという能動的な意識に変えると色々なことに興味を持ってみるようになり、また沢山の発見もあるので話題も増えます。
 
 感性の鋭い人はそれなりにいろいろなことに長けている。幅のある人間だと思います。こういう人たちは理論理屈ではなく、前述のような意識で自分を高めて来たと思います。クリーン化担当として日常的、継続的に感性を磨き、自己を高めていこうと考えた場合、多くの人、特に同業種だけでなく、異業種の方とも交流すると、ものの見方を変えたり多面的に考えていくことができ、自分の幅を広げることや深さが出て来ると思います。
 
 異業種の方と意見交換すると、自分が正論だと思っていることがそうではなかったり、別な考え方が提示されたりする場面も出て来ます。この積み重ねから自分の考えがすべてではなく、沢山の見方考え方があるのだと気が付きます。異業種交流にはこのような価値があります。
 
 宝石のダイヤモンドは、基本的には44面カットと60面カットがあるそうです。どちらが良いいかは人それぞれですが、44面カットより60面カットの方が面が多い分乱反射が多く、より輝いて見える。つまり私たちに当てはめると、物事を見たり考えたりすることに幅や深さが増せば、より輝いた人になるということです。多面的に物事が見えるようになると、人に説明する時も画一的にならずその人にあった説明ができます。事例や引用を多用することで、説得力も増すと思います。改善案の提示でも一例だけでなく、いくつかの代替案も提示できます。
 
 このように人に説明、説得する場面では、相手に合わせ色々な面からアプローチできるようになるので、その時に発した言葉にも説得力があったり、重みを感じます。これが人を動かすきっかけになります。言っただけ、聞いただけで終わらず、相互の信頼や繋がりができます。こういう人が周囲に増えるほど自分の能力も高めることが出来ます。クリーン化担当としては、こんなふうに多面的な輝きのある日常を送りたいものです。
 
 ダイヤモンドは原石であるうちはただの石です。ただ、磨けば光ることが分かっている石なのです。それを磨くか磨かないのか、44面カットで満足するのか、60面カットに至るまで、或いはそれ以上に磨き続けるのかと、いうことです。自分が輝きを増してくると、どのような立場の方、どのような仕事の方とも会話が通じます。その人たちを通じて違った分野の話が入ってくることで、学ぶことが多くさらに自分の幅や深さ作りに貢献してくれます。
 
 自分の話題のポケットが多いのですから、相手に合わせ引き出せばいいんです。私はこの分野の方とは話ができないということでは、周囲に集まる人も限られてしまいます。自分が輝きを増すということは、人と情報も集まってくるということです。多面的にものを見たり考えたりすることは、このような地道な積み重ねがあってからこそです。そういう輝きのあるクリーン化担当を目指して欲しいです。
 
参考:ダイヤモンドの4Cとは
 
Cut:44面カット、60面カットなど(このほかブリリアンカットなどもある)
Carat:大きさ、1カラット=5分の1g
Collar:ピンクやグレーががったものもありますが、透明が最もよいとされています。
Clarity:透明さ及び全体の品質。中には気泡が閉じ込められたものなどがあります。
 

 

    

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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