製品設計と荷姿設計 エンジニアリングとしての物流(その4)
2016-11-10
今回は、荷姿効率を向上させるための製品のあり方の検討の重要性について考えていきたいと思います。何度もお話をしていますが、物流が製品設計に口出しするなどとんでもない、という発想はやめましょう。物流を効率化するためには固定観念は禁物です。あらゆる方策を検討し、とことん物流効率化を追求することが物流担当者の責務であるのです。
製品のあり方を検討するに際し、二つの側面があることを認識しておきましょう。一つ目が製品の組み立てをいつのタイミングで実施するのか、という点です。二つ目は、製品の形状そのものという点です。
まず前者について考えていきましょう。多分皆さんは日頃からものを動かす状況を見ているでしょうから、きっと気になっていると思うのですが、今の荷姿効率が良くなく、それをよくするためにはその製品の組み立ての一部を運搬後に行うべきだと。
たとえば、ある製品にボルトが一つついているために荷姿効率が3分の1程度になってしまっていることがあります。このケースでは、ボルトの取り付けを輸送後に行うことで輸送費の削減が可能となります。
このように「組立工程の変更」を行うだけで物流効率化につながるアイテムを洗い出し、一点一点その可能性を検討することです。
会社の中で組立工程を決定するのは生産技術部門です。残念ながら生産技術部門の人たちは物流を考慮するということはあまりありません。
従って、このようなアイデアは物流に関わる人が出すべきでしょう。そして生産技術の人たちと一緒になって検討を進めるのです。そうすることによって、徐々に生産技術の人たちも物流を意識するようになるのです...
。経験を重ねるごとに物流を考慮した生産場所を検討してくれるようになることでしょう。
できれば、物流効率の悪い製品をパッケージごとに一か所に集め、多くの目で見てもらう検討会を設定してみてはいかがでしょうか。
ここで重要なことは、それが可能かどうかはいったん脇に置いておくということです。改善を推進するためには「固定観念」が大きなネックになるからです。