『ものづくり』から脱却し『価値づくり』を実現する研究開発マネジメントの基礎、全体像と具体的な活動

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開催日 10:30 ~ 16:30 
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主催者 サイエンス&テクノロジー株式会社
キーワード 技術マネジメント総合   事業戦略
開催エリア 全国
開催場所 Live配信セミナー(会社・自宅にいながら受講可能)

研究開発・技術部門にしかできない
R&Dのマネジメントとは?

~R&D部門が主導する市場起点、コア技術戦略、オープンイノベーションによる三位一体の研究開発~

■研究開発担当者に求められる市場起点の具体的活動
■コア技術の理解とその設定とその追及
■オープン・イノベーションの成功への施策

これまでの技術ありきの「ものづくり」への固執から抜け出し、顧客が享受する「価値」を継続的に創出し、収益を生み出すために。

セミナー講師

ベクター・コンサルティング(株) 代表取締役 浪江 一公 氏

セミナー受講料

定価:49,500円(オンライン受講価格:39,600円)

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セミナー趣旨

 日本企業は、過去20年間停滞を経験してきました。一方で、海外企業に目を向けると、この20年間で、多くの新興国企業が成長し、欧米の優良企業は本質的な経営変革を実行し、数多くのベンチャー企業が生まれ成功してきました。私は、日本企業の停滞の原因は、誤解を恐れずに言えば、「ものづくり」への強い固執にあると考えています。多くの場合、「ものづくり」とは、市場価値が低下しつつある自己の従来の強みへの拘泥であり、自己の「視野狭窄」を生み出してきているからです。
 企業は、その本質において、「顧客が享受する価値に対して支払う対価」を源泉に存続しています。したがって、企業が目を向けるべきは、直接的に、顧客が享受する「価値」です。企業にとってこの「価値」を継続的に創出すること、すなわち「価値づくり」が、その本来的使命であるはずです。そして、研究開発部門は、この「価値づくり」において先導的・主導的な役割を担わなければなりません。この「価値づくり」を成功させ収益を継続的に拡大するためには、研究開発部門における「市場起点の思考と活動」、「コア技術戦略の実行」そして「オープン・イノベーションの徹底」の3つの戦略イニシャティブを有機的・相乗効果的に三位一体で組み合わせ、そしてそれらを強力に展開することが重要です。
 本セミナーでは、以上のような「価値づくり」に向けての三位一体の研究開発の必要性の背景と、その構造と内容を紹介した後、具体的にどのような活動を行うことが必要なのかを、様々な事例を交えながら説明をしていきます。

受講対象・レベル

研究開発部門、研究企画、技術企画、経営企画、商品企画などの部門の方々で、

  • 研究開発組織の変革にご関心のある方、
  • コア技術戦略の実行をご検討中の方、
  • オープンイノベーションをご担当の方 など

習得できる知識

  • 『価値づくり』を実現するための具体的な活動
  • 『ものづくり』の問題点
  • 研究開発担当者に求められる市場起点の具体的活動
  • コア技術とはの理解とその設定法
  • オープン・イノベーションの様々の効果 等

セミナープログラム

  1. はじめに
    • 日本企業の大きな問題点:ものづくり経営?
    • 米国企業の『価値づくり』の追求(GEの例)
    • 日立の研究開発体制の改革:『価値づくり』へ
  2. なぜ『価値づくり』なのか
    • 『価値づくり』の定義
    • 「価値づくりへの脱皮」が求められる6つの大きな背景
      • そもそも顧客は享受する価値に対し対価を支払う
      • 顧客は常に充足されない潜在ニーズを持つ(アマゾンのドローン活用例)
      • 『非顧客』が存在する(バイクメーカーの例)
      • 新興国企業の台頭による既存価値追求競争の限界(韓国化粧品企業などの例)
      • 従来の「ものづくり」の発想では発展・成長はない
      • 『価値づくり』の前提のオープンイノベーションが格段に容易に
    • 価値づくりの企業例:グーグル
  3. 日本企業の大きな問題点:「ものづくり」への固執
    • 「ものづくり」の関心領域:製品や技術
    • 既存技術は成熟化する:新興国の金型技術力の向上の例
    • モノづくりの問題点:「a solution without a problem(問題のない解決策)」
  4. 『価値づくり』への『三位一体型』研究開発マネジメントとは
    • 『価値づくり』は継続的な収益拡大を実現するためのもの
    • 『価値づくり』のための三位一体の研究開発とは
    • 「市場起点の思考と活動」が必要とされる理由
    • 「オープンイノベーションの徹底」が必要とされる理由
    • 「コア技術戦略の追求」が必要とされる理由
    • 『価値づくり』のための三位一体の研究戦略の全体像
  5. 『価値づくり』の視点を持つ
    • 『価値づくり』における研究開発部門の役割
      (日立製作所、三菱ケミカル、富士フイルムの例)
    • 『価値づくり』の研究開発部門における現状
      • 「うちの技術者は顧客価値のことなど考えていない」(大手車両機器メーカー技術担当課長)
    • 顧客がどのような点に価値を認識するかの理解の必要性
    • 顧客は自社のQCDだけで買うのでは決してない
    • 機能的価値と意味的価値
    • 『価値づくり』の拡大の視点:VACES
      (日本触媒、シマノ、帝人、テトラパック、Bush Boake Allen、東洋電機、3M、コマツ、日本ペイント等)
  6. 市場起点の思考と活動
    • 革新的テーマ創出のメカニズム:市場知識と技術知識のスパーク
    • スパークの原料の「市場知識」の強化活動
    • 「市場起点の思考と活動」の企業事例
      (本田宗一郎、花王、資生堂の例など)
    • 研究者は蛸壺から出でよ!
    • 市場・顧客を理解する3軸、TADとそのための具体的活動
  7. (島津製作所、IBMの20%ルール、キーエンス等の例)
    • 研究開発部門の市場起点の思考と活動のための具体的方策
      (マーケティング強化、ステージゲートプロセスの導入等)
  8. コア技術戦略の追求
    • コア技術戦略とは
    • コア技術設定の企業事例
      (3M、クレハ、富士フイルム等)
    • コア技術の選定軸
    • コア技術による「市場起点の思考と活動」の促進
      (富士フイルム、IHIの例)
    • 「市場起点の思考と活動」による新たなコア技術の発見
    • コア技術の設定プロセス
    • コア技術設定上の3つの注意点
      (イノベーションのジレンマ等)
  9. 「オープンイノベーションの徹底」
    • 「オープンイノベーションの徹底」の位置付
      • 『価値づくり』の実現のためにある
      • オープンイノベーションは目的ではなく手段
    • オープンイノベーションとは
    • オープンイノベーションが必要とされる背景
    • オープンイノベーションの多様性とその類型
      • 類型(1):何を大きな目的として
      • 類型(2):イノベーションの発生の場は
      • 類型(3):具体的に何を求めて
      • 類型(4):誰と
      • 類型(5):どのような関係性の下
      • 類型(6):どのように実現
    • 他の要素との相乗効果
      • 市場の知識と外部技術のスパーク
      • 市場起点の思考と活動によるオープンイノベーション対象者の発見
      • 外部の市場知識と自社技術のスパーク
        (GE、東レの例)
      • 自社技術と外部技術のスパーク
      • オープンイノベーション推進におけるコア技術による収益確保
      • オープンイノベーションによるコア技術の強化と補完
        (コンチネンタル、オリンパスの例)
    • 外部パートナー探索2つの方向性
    • 自社が個別に外部を探す
      (P&G、コニカミノルタ、ナインシグマ、エルゼビア等)
    • 外部に積極的に探される
      • 自社保有技術の開示・発信法
        (富士フイルム、GE、3M、シスコ、P&G等)
    • オープンイノベーション実現の阻害要因
      • 取引コストと心理的抵抗
      • オープンイノベーションのコスト・抵抗だけでなく、オープンイノベーションが
        もたらす大きな価値にも目を向けることで、オープンイノベーションを促進する
    • オープンイノベーションの成功に向けて打つべき10の施策
  10. 最後に

□質疑応答□

キーワード:価値づくり、コア技術、オープン・イノベーション、市場起点の研究開発