差し迫る温暖化危機の中、各国の電動車動向と近未来に向けた現実的な戦略
開催日 | オンデマンド |
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主催者 | 株式会社 新社会システム総合研究所 |
キーワード | 自動車技術 環境負荷抑制技術 政策・行政 |
開催エリア | 全国 |
進めるべき自動車産業のCO2削減対応策とは?
開催日:2022年 3月14日(月)
セミナー講師
藤村 俊夫(ふじむら としお) 氏 愛知工業大学 工学部 客員教授[元トヨタ自動車(株)] 博士(工学)
セミナー受講料
1名につき 33,800円(税込)
同一のお申込フォームよりお申込の場合、2人目以降 27,500円(税込)
受講について
収録時間 2時間55分 テキストデータ(PDF形式)つき
■セミナーオンデマンドについて<1>お申込み後2営業日以内に、ご登録いただいたメールアドレスへ Vimeoの視聴用URL・PASSと資料(PDFデータ)をお送り致します。<2>動画は視聴案内日より2週間、何度でもご都合の良い時間にご視聴頂けます。
セミナー趣旨
地球温暖化による気候変動が、人類の生活に甚大な影響をおよぼし脅威を増す中、2016年にパリ協定が発効されたにもかかわらず、CO2排出量はいまだピークアウトせず、産業革命以降の平均気温は既に1.1℃上昇している。2019年9月の国連気候行動サミットにおいては、パリ協定で合意した『平均気温上昇2℃以下とし1.5℃を努力目標』では気候危機の連鎖を食い止めれないという解析結果をもとに、『1.5℃以下必達』にあらためることが各国に提案された。それを受け先進国、新興国の大半はこれにコミットしたのである。但し、昨年、英国グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)においては、1.5℃以下を実現するための具体的目標である、『2030年までにCO2を現状の45%まで低減、2050年に排出ゼロ』に対し、先進国はこれを意識した目標を提示するも、ワースト1の中国とワースト3のインドは、依然前向きな目標は提示していない。十分な資金と技術援助なしで、厳しい目標提示を要求することが難しいことを、先進国は認識する必要がある。コロナウイルスの蔓延により経済はリーマンショックを上回るダメージを受け、経済活動が停滞したことで環境が改善し、皮肉にもCO2も前年比で-5.8%と初めて減少に転じた。温暖化とウイルスは無縁ではなく、北極圏の永久凍土が溶ければ、そこに封じ込まれた2万数千種類の未知のウイルスと細菌が地表に出てくる。温暖化に歯止めをかけなければ、自然災害とウイルスの蔓延という脅威が年々拡大し、経済成長どころではなくなるのである。持続可能な社会の実現に向け、CO2削減は待ったなしの緊急課題であることは自明であり、自動車産業のみならず、エネルギー資本、電力セクターなどすべての産業は環境改善と経済成長を目指した変容が必要になる。世界全体の排出量330億トンの内18%を占める4輪車は、エンジン車などの燃料を石油系からグリーン燃料に転換し、併せて技術の完成度を見極めながら電動車への普及拡大を進めることが必要となる。エネルギーのグリーン化(電力、燃料)戦略なくして、2030年までにCO2を45%削減することは難しい。主要国政府の大半は2030年から2035年までにエンジン車などの、販売を禁止するという目標を表明したが、技術に裏付けされたものでないことは明白である。ここでは、それらの表明に至った背景について解説し、果たして技術の完成度、ユーザーニーズ、雇用、資源なども考慮した時に、エンジン車などを販売禁止としBEVを誘導することが、実質のCO2削減において現実的な解となり得るのかを紐解きたい。併せて、CO2削減目標を達成するための現実的な戦略も提示する。
受講対象・レベル
・企業で技術戦略を立案されようとしている方
・これからの自動車及びシステム、部品開発に携われている技術者の方
・エネルギ関係の業務に携わっている方
・企業で経営方針立案に携わっている方
習得できる知識
・エコ社会実現に向けCO2低減は待ったなしの超緊急課題であり、産業界がこれを認識すべき理由・パリ協定自主目標、さらに規模しい国連気候行動サミットに目標を達成するために必要な、あるべきCO2基準強化案の考え方・各国政府が掲げる野心的な電動化戦略の背景・自動車産業の戦略の基本は、エンジン車、電動車すべてを対象とした全方位開発と、燃料及び電力のグリーン化推進である理由・自動車の将来シナリオ策定において配慮すべき項目と検討手順
セミナープログラム
<第1章>気候危機の脅威1.世界のCO2排出と気候変動への影響 2.2019年9月、気候行動サミット受け、各国が表明したCO2削減目標3.IPCC(気候変動に関する政府間パネル)6次レポートの概要4.COP26の成果と課題<第2章>燃料、電力のグリーン化なくしてCO2削減目標45%は達成できない 1.世界の1次エネルギー構成、電力のエネルギー構成の現状と今後の予測2.日本の稚拙なエネルギー基本計画と電力のエネルギー構成3.1次エネルギーすべてを対象としたグリーン化の重要性4.グリーン電力とグリーン燃料(微細藻類バイオ、水素、e-Fuel、合成メタン、アンモニアなど)はエネルギー政策の2本の柱 5.グリーン燃料導入とエンジン車、電動車すべてを含めた全方位開発の必要性6.自動車改良技術の全体俯瞰 7.バッテリー改良技術の動向8.WtW(Well to Wheel)、LCA(Life Cycle Assessment)で評価した、BEVのHEVに対する優位性の有無9.グリーン燃料(水素、e-Fuel、合成メタンなど)開発の動向 10.オフグリッドプラントによるグリーン燃料製造<第3章>各国地域の基準強化および電動化動向1.世界の今後の新車販売台数増減要因と地域・国別の販売台数予測 2.各国・地域における、2021〜2030年までのCO2基準値とその妥当性 3.新車の電動化だけでは、既販車を含めCO2 45%の削減は不可能4.各国、地域政府の電動化表明とその裏にある政治的思惑5.各国主要メーカの電動化戦略6.世界のBEV、PHEV販売動向の分析7.欧州2021年CO2規制で苦境に喘ぐ欧州メーカ8.EUがとる、欧州メーカ救済のための様々な優遇措置9.BEV一辺倒からHEVに舵を切った中国10.中国で一気に加速する超小型BEV(LSEV)<第4章>自動車産業の近未来に向けた技術戦略1.電動車展開における優先順位とその背景2.今後の世界の新車販売台数の現実的な予測3.世界における、エンジン車、電動車構成比率の推移(あるべきシナリオ)4.保有車を対象とした、CO2削減効果と石油消費量削減効果の算出5.自動車の改良、電動車導入、燃料グリーン化で2030年のCO2 45%削減は実現可能6.各国地域における、現在のCO2基準の妥当性検討(上記シナリオとの比較)7.電度車拡大の可能性検討(HEV、PHEV販売が鍵を握る)8.2030年に向けたバッテリー供給量予測9.将来モビィリティーの棲み分け10.Smart Cityを視野に入れた自動車メーカの将来戦略<第5章>まとめ政府への提言と自動車産業が今後推進すべき対応策