熱電変換技術の原理と材料・素子・モジュール・システムの最新開発動向および実用化に向けた取り組み
開催日 |
11:00 ~ 15:55 締めきりました |
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主催者 | (株)AndTech (&Tech) |
キーワード | 応用物理一般 電子デバイス・部品 省エネルギー |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | ※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です |
~フレキシブル性・軽量性を兼ね備えた熱電変換モジュールと排熱発電システム~
★熱電変換の基礎,材料開発,フレキシブル素子も含めた発電素子と応用として排熱利用発電や小型電源としての現状と将来展望について解説!
★マグネシウムシリコンスズ材料及び本材料を用いたモジュールに関する開発状況や課題、そして凝縮潜熱に着目した熱電発電システムの開発状況や課題について説明!
★単層カーボンナノチューブ(CNT)を用いた軽量、薄型でフレキシブルな熱電変換デバイスの構造やプロセス上の特徴に加え、社会実装に向けた取り組み事例について紹介!
セミナー講師
- 第1部 株式会社白山 R&D本部/本部長 内田 健太郎 氏
- 第2部 長岡技術科学大学 技学研究院/教授 武田 雅敏 氏
- 第3部 日本ゼオン株式会社 総合開発センター CNT研究所 西浦 憲 氏
セミナー受講料
【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
セミナープログラム
【第1講】環境調型MgSiSn熱電変換モジュールの開発と廃熱発電システムの実用化に向けた取り組み
【時間】 11:00-12:15
【講師】株式会社白山 R&D本部/本部長 内田 健太郎 氏
【講演主旨】
脱炭素社会実現に向けて、エネルギー効率を高める省エネ技術、特に排熱を有効利用する技術は重要である。その技術の中で熱を電気に直接変換する熱電発電技術が注目されている。熱電発電技術が実用化されるためには二つの課題を解決する必要がある。一つはレアメタルを用いない熱電変換材料であり、もう一つが熱電発電のシステム開発である。熱電変換材料の現状及び株式会社白山が開発しているマグネシウムシリコンスズ材料及び本材料を用いたモジュールに関する開発状況や課題について説明する。また、システム開発とは、排熱を如何にモジュールに通過させるかの構造や組み合わせの開発である。株式会社白山で開発している凝縮潜熱に着目した熱電発電システムの開発状況や課題について説明する。
【プログラム】
- 環境調和型熱電変換材料
- Mg-Si-Sn 熱電材料位置付け
- Mg-Si-Sn 熱電材料の特徴
- Mg-Si-Sn 熱電材料の合成プロセス
- Mg-Si-Sn 熱電材料の評価
- Mg-Si-Sn系熱電発電モジュール
- 素子及び接合部開発
- モジュール化
- 熱電発電モジュールの評価
- 熱電発電システムの開発
- 各社の熱電発電システム取り組みの現状
- 凝縮潜熱に着目した熱電発電システムの概要とその結果
- 熱電発電システム実用化への課題
【質疑応答】
【キーワード】
熱電発電、環境調和型熱電材料、排熱発電、未利用熱、
【講演のポイント】
熱電発電の実用化のためには、熱電材料から発電システムに至る広範囲な技術の最適化が必要です。材料-素子-モジュール-システムのそれぞれにおいて、熱電発電を開発する上で必要な技術について解説します。
【習得できる知識】
熱電変換材料の基礎、材料合成プロセス
熱電発電モジュールの開発における課題
熱電発電システムの全体像と課題
【第2講】熱電変換技術の原理とフレキシブル熱電変換素子・材料の研究開発
【時間】 13:15-14:30
【講師】長岡技術科学大学 技学研究院/教授 武田 雅敏 氏
【講演主旨】
熱から直接発電が可能な熱電変換は,工場などの排熱からの電力回生技術だけでなく,IoT化に必要なセンサーや通信機器の小型電源として,排熱や環境熱,さらには体温から発電する技術としても注目と期待が高まっています.
本セミナーでは,熱電変換の基礎,材料開発,フレキシブル素子も含めた発電素子とその応用について解説します.特に,応用として排熱利用発電や小型電源としての現状と将来展望についても解説します.
【プログラム】
- 熱電変換の基礎
- 熱と電気が相互に関わる物理現象
- ゼーベック効果とペルチェ効果
- 熱電変換材料の研究開発、各特性向上化に向けて
- 良い熱電材料とは
- 代表的な熱電材料
- 電気的特性の向上策
- 熱的特性の向上策
- 熱電素子と発電への応用
- 一般的な発電素子の構造
- 発電効率とその向上策
- 熱電発電の応用事例
- 排熱を利用した発電
- 自動車の排熱を利用した発電
- 製鉄プロセスでの排熱利用発電
- アウトドア用薪コンロと発電器
- 環境熱を利用した発電
- 温泉と河川水による熱電発電
- 太陽光複合発電:太陽「光」に加え「熱」も利用する
- 下水道氾濫検知システムの電源としての熱電変換
- 体温を利用した発電
- 体温で動作するスマートウォッチ
- 排熱を利用した発電
- フレキシブル熱電素子の研究開発
- フレキシブル素子に用いられる熱電材料の開発動向
- 無機熱電材料
- 有機熱電材料
- フレキシブル熱電素子の開発動向・素子の研究開発事例
- 基板垂直方向に温度差を付与・取り出すタイプ
- 基板面内に温度差を付与・取り出すタイプ
- カーボンナノチューブを用いた印刷技術によるフレキシブル熱電変換素子
- 有機系高分子材料(PEDOT/PSS)を使ったフレキシブル熱電変換素子
- 薄膜を用いる利点,不利な点
- 講師のグループが手掛ける熱電変換素子のコンセプト・研究事例
- フレキシブル熱電素子の応用分野
- 今後の展望 ~実用化への課題~
- 素子作製のポイント
- 周辺回路に関する課題
- システムに関する課題
- フレキシブル素子に用いられる熱電材料の開発動向
- まとめ:講師の私見も含め
- 熱電変換技術の現状と展望
- フレキシブル熱電素子の展望
【質疑応答】
【習得できる知識】
熱電変換技術に関する基礎知識
熱電素子による排熱利用発電技術の動向
フレキシブル熱電素子の開発の現状と課題 等
【第3講】軽量、フレキシブルな薄型CNT熱電変換デバイスの開発と社会実装に向けた取り組み
【時間】 14:40-15:55
【講師】日本ゼオン株式会社 総合開発センター CNT研究所 西浦 憲 氏
【講演主旨】
IoT社会の実現に向けて1兆個ともいわれるセンサーを社会実装するうえでは、電源の確保をどうするかという問題が常に付きまといます。当社では、IoTセンシングシステムの電源として、単層カーボンナノチューブ(CNT)を用いた軽量、薄型でフレキシブルな熱電変換デバイスを開発してきました。CNT熱電変換デバイスは、工場内の熱配管などの曲面や、部材の隙間に設置可能であり、様々な場所から電力を得ることが出来ます。さらに、200℃以下の低温排熱から得られる微弱な電力を有効活用するための回路システムの開発も合わせて行うことで、顧客の困りごとや社会課題の解決につながる用途の開拓も進んできました。
本講座では、CNT熱電変換デバイスの構造やプロセス上の特徴に加え、社会実装に向けた取り組み事例について紹介します。
【プログラム】
- 会社紹介
- カーボンナノチューブ(CNT)とは
- スーパーグロース法で合成した単層CNT(SGCNT)の特徴
- SGCNTシートのエネルギーデバイスへの応用可能性
- 熱電変換材料としてのCNTの特徴
- 軽量、フレキシブルなCNT熱電変換デバイス
- CNTに適したシート状デバイス構造の検討
- シートパターニング技術を用いたデバイス作製プロセス
- 熱電変換デバイスの社会実装に向けた取り組み
- CNT熱電変換デバイスを用いた応用事例
- 社会実装に向けた課題
- まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
環境発電、IoTセンシングシステム、カーボンナノチューブ、トリリオンセンサ
【講演のポイント】
単層カーボンナノチューブの材料メーカである当社が、材料からスタートしてCNTシート、デバイス、回路システムと開発領域を広げることで、既存の材料とは異なる特徴を持つCNT熱電変換デバイスの創出やその用途開拓を進めてきました。これは当社単独では到底なしえず、様々な大学や協業先と一体となって、社会課題の解決に向けて取り組みをしてきた成果です。当日は、この流れについても簡単に紹介したいと思います。
【習得できる知識】
・熱電変換材料としてのCNTの特徴
・CNT熱電変換デバイスの構造と製造プロセス
・CNT熱電変換デバイスの応用事例