入門編:リスクとリスクコミュニケーション
開催日 |
14:00 ~ 17:00 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 新技術開発センター |
キーワード | リスクマネジメント コミュニケーション 技術マネジメント総合 |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | 職場・自宅 全国どこからでも参加できます。 「ZOOM」を使用します。 |
科学技術が社会に活用されるあらゆる場面で求められる,リスクコミュニケーション。その基本的な理論や原則,実践の基礎を,いちから解説します!
セミナー講師
神里 達博 氏千葉大学大学院国際学術研究院教授同大学院総合国際学位プログラム長
1967年,神奈川県生まれ。大阪大学客員教授,朝日新聞客員論説委員,日本学術会議連携会員などを務める。東京大学工学部卒,東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。旧科学技術庁,旧三菱化学生命科学研究所,科学技術振興機構,東京大学,大阪大学などを経て現職。博士(工学),専門領域は科学技術社会論,科学史,リスク論。2014年より朝日新聞紙面にて『月刊安心新聞+』を連載。
著書に『食品リスク』(弘文堂),『文明探偵の冒険』(講談社現代新書),『ブロックチェーンという世界革命』(河出書房新社),『リスクの正体』(岩波新書)など,監訳書に『リスクコミュニケーション標準マニュアル』(福村出版)がある。
セミナー受講料
25,000円(消費税込)※テキスト代を含みます。
セミナー趣旨
すでに3年以上もの間,世界はCOVID-19に翻弄されてきました。私たちはさまざまな困難に向きあってきましたが,とりわけ,この病気のリスクについて誰がどう伝え,人々の日々の実践につないでいくかは,大きな課題であり続けました。
これらは典型的な「リスクコミュニケーション」の問題です。この言葉は半世紀ほど前にアメリカで使われるようになったものですが,私たちにとっては二重の意味で馴染みが薄い面があります。それは,「リスク」も「コミュニケーション」も,決して私たちの社会に古くからある考え方ではないからです。それは,どちらもカタカナ語のまま使われ,いまだに一般的な日本語訳がないことからも推察できるでしょう。
そのこともあって,リスクコミュニケーションについての混乱や誤解は,なかなか解消されないのが日本の現状です。新たなリスクに関する問題が生じるたびに,リスクコミュニケーションへの社会的期待は高まるものの,その根本が理解されていないためか,先達の智恵を上手に活用できていないように思えてなりません。
もちろんリスクコミュニケーションは,医療や公衆衛生に限ったものではありません。今や,科学技術が社会に活用される,あらゆる場面で求められる必須の思想・実践となったといえるでしょう。
そこで本セミナーでは,リスクコミュニケーションの前提である「リスク」についてしっかりと掘り下げた上で,リスクコミュニケーションを支える基本的な理論や原則,さらにはその実践の基礎について,3時間で理解できるように組み立ててみました。
具体的にはまず,歴史的経緯から,日本社会にとってはかなり縁遠い「リスク」の概念を少し丁寧にひもときます。この言葉はきわめて西洋近代的な考え方に基づいている,ということを踏まえた上で,リスク社会化する現代の状況を概観します。少し遠回りに感じられるかもしれませんが,この中心的な考え方をしっかり理解しておくことで,さまざまな意味での「応用力」が身につきます。
次に,リスクコミュニケーションの定義と,その理論的背景について見ていきます。リスクコミュニケーションは比較的新しい思想・実践であるため,分野や国によって解釈には若干幅があります。
加えて,リスクコミュニケーションを実践する上で,どのような点が阻害要因になるのか,また守るべき原則,ルールについて確認していきます。これらを通じて,リスクコミュニケーションに関する重要なポイントを理解し,さまざまな誤解を解消することができれば幸いです。
そして最後に,実際にリスクコミュニケーションを行うための準備・計画について,概説します。
受講対象・レベル
メーカー,行政,メディアなどの担当者や,組織の管理責任者コミュニケーション能力が重要視される,プロフェッショナルエンジニア,技術士,コンクリート診断士などを目指している方,および,すでにその実務に就いている方
セミナープログラム
はじめに
I.「リスク」とは何か1.“risk”の淵源2.リスク社会3.リスクと安心
II.「リスクコミュニケーション(RC)」とは何か1.RCの概観 ・歴史と定義 ・背景にある理論2.RCを阻害する要因 ・コミュニケーター側の問題 ・オーディエンス側の問題3.RCの原則 ・倫理と公正 ・プロセスの原則 ・プレゼンテーションの原則 ・リスク比較の原則4.リスクコミュニケーションの計画 ・目的 ・オーディエンスの分析 ・メッセージの作成 ・方法とスケジュール5.補足とまとめ
◎ 質疑応答
※なお,実際のセミナープログラムの内容は,一部変更される場合があります。