積層セラミックコンデンサおよびMLCC用チタン酸バリウム誘電体材料の基礎・粒径制御・高結晶化
開催日 |
13:00 ~ 17:30 締めきりました |
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主催者 | (株)AndTech (&Tech) |
キーワード | 電子デバイス・部品 無機材料 化学反応・プロセス |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | ※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です |
■本セミナーの主題および状況→MLCC(多層セラミックコンデンサ)は、電気信号を一時的に貯蔵する目的で使用されるコンデンサの一種であり、その小型化、高い電気容量、高い耐圧、低インダクタンスなどの特性から、電子機器や電子回路において幅広い用途で使用されています。→チタン酸バリウムは、高い誘電率と高い電気容量を持つため、コンデンサの性能を向上させるために使用されております。→スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、家電製品など、さまざまな電子機器にはMLCCが多数使用されており、今後もMLCC市場の成長が期待されています。
■注目ポイント★積層セラミックコンデンサに関する豊富な知見を有する第一人者が、MLCCの基礎にはじまり、チタン酸バリウム(BaTiO3)、および添加成分が入ったチタン酸バリウム誘電体原料、そしてチタン酸バリウムセラミックスについてその概要、材料設計指針について解説!★小型高容量MLCCを支える微粒子チタン酸バリウムの合成法としての湿式合成法について、所望の粒径や結晶性を得るためにベースとなる技術について紹介!
セミナー講師
第1部 和田技術士事務所 代表 技術士(化学部門) 和田 信之 氏第2部 戸田工業株式会社 創造本部 嘱託 黒川 晴己 氏
セミナー受講料
【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
セミナープログラム
【第1講】 セラミックコンデンサおよびMLCC用チタン酸バリウム誘電体材料の基礎【時間】 13:00-15:10【講師】和田技術士事務所 代表 和田 信之 氏
【講演主旨】 積層セラミックコンデンサ(MLCC)はコンデンサ素子がセラミックスからなる全固体素子で、電解液など溶液を含む電解コンデンサに比べた優れた性能により、その市場が大きく成長しています。ここでは、まず、コンデンサとはなにか、セラミックスとはどういうものかを理解いただきます。次に多くのMLCCで使用されるチタン酸バリウム(BaTiO3)、および添加成分が入ったチタン酸バリウム誘電体原料、そしてチタン酸バリウムセラミックスについてその概要、材料設計指針を理解することで、MLCCの利点や課題などが明確になっていきます。まずは基礎的にMLCCとは何かをつかんでいただけると思います。
【プログラム】1. 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の概要 1-1 セラミックスおよびセラミックコンデンサとは セラミックスの構造、焼結現象、粒成長、平衡状態図、コンデンサの分類 1-2 インピーダンス素子としてのコンデンサ 周波数、インピーダンス、デカップリング、 1-3 MLCCの概要 温度補償系 温度係数、高誘電率系 誘電率温度特性 1-4 Ni内部電極MLCC2. BaTiO3 (BT) 誘電体セラミックスの特性 2-1 BTの強誘電性 結晶構造、相転移、分極、ドメイン、ヒステリシス 2-2 BT粉末のサイズ効果 グレイン、c/a、 2-3 BT粉末の合成法 固相法、シュウ酸法、水熱合成法 2-4 BT誘電体原料の組成 アクセプター元素、ドナー元素 2-5 BT誘電体セラミックスの構造制御 コアシェル構造、非コアシェル構造、不均一歪、焼結助材 2-6 BT誘電体セラミックスの信頼性 酸素空孔、活性化エネルギー、加速評価 2-7 積層セラミックコンデンサの課題 高温、高電界、バイアス特性【質疑応答】
【キーワード】コンデンサ、インピーダンス、温度補償、高誘電率、チタン酸バリウム 強誘電性、サイズ効果、グレイン、コア-シェル構造、不均一歪み、粒成長、アクセプター元素、ドナー元素、焼結助剤、長期信頼性、酸素空孔、加速評価
【講演のポイント】素子厚が薄層化するMLCCに用いられるチタン酸バリウム(BT)誘電体原料では、微細化するBT粉末でいかに強誘電性を維持し、コンデンサとしての初期特性、および長期信頼性を確保するための材料組成設計が行われている。その設計指針概要を分かりやすく説明していきます。
【習得できる知識】MLCCのコンデンサとしての分類、機能、構造などが習得できます。MLCCに主に用いられるチタン酸バリウム(BT)の特徴、最近の開発動向が習得できます。強誘電性BTを用いて、、コンデンサの初期特性、長期信頼性を得るための組成設計が習得できます。コンデンサの長期信頼性とは何か、それを満足させるためのBTセラミック材料組成、設計指針の概要が習得できます。
【第2講】 チタン酸バリウムの粒径制御と高結晶化【時間】 15:20-17:30【講師】戸田工業株式会社 創造本部 嘱託 黒川 晴己 氏
【講演主旨】 積層セラミックコンデンサ用途には、微細で分散性が良く、粒度分布が狭く結晶性が高いチタン酸バリウム粒子が望まれている。幾つかあるチタン酸バリウム粒子合成法のうち、湿式合成法はとりわけ微細化や狭い粒度分布の粒子が得られやすい。その一方で、焼成を行う方法に対し結晶性が上がりにくいという不利な点もある。この湿式合成法の粒子制御技術を、核の発生制御や成長制御という晶析技術の観点から解説する。加えてナノサイズのチタン酸バリウム粒子の新用途に関する可能性および水熱反応で合成されるその他の有望材料を提示する。
【プログラム】1.微細粒子合成の晶析反応 1.1 反応晶析の基礎理論 1.2 チタン酸バリウム粒子への適用2.各チタン酸バリウム粒子合成法の特徴 2.1 水熱合成法 2.2 それ以外の製法3.反応プロセスと制御パラメータ 3.1 チタン酸バリウム粒子性状と原料の関係 3.2 チタン酸バリウム粒子性状とその他の要因4.生成したチタン酸バリウム粒子の特性5.材料の将来展望 5.1 ナノチタン酸バリウム粒子の新規用途 5.2 水熱反応で合成されるその他の有望材料6.まとめ【質疑応答】
【キーワード】ナノ粒子合成,チタン酸バリウム,高結晶化
【講演ポイント】小型高容量MLCCを支える微粒子チタン酸バリウムは様々な方法で合成されるが、材料トレンドの微細・高結晶粒子の合成には湿式合成法が適している。湿式合成で所望の粒径や結晶性を得るためにベースとなる技術について紹介する。
【習得できる知識】チタン酸バリウム粒子の基礎知識湿式法による粒子合成の理論と粒子制御水熱合成法による新規粒子合成の可能性