機械装置の疲労破壊を防ぐ方法

43,000 円(税込)

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開催日 10:00 ~ 17:00 
締めきりました
主催者 株式会社 新技術開発センター
キーワード 機械材料   機械設計
開催エリア 全国
開催場所 Zoomを利用したオンライン講座

セミナー講師

遠田治正 氏TMEC技術士事務所技術士(機械部門)

1974年 三菱電機(株)入社主として当時大型化しつつあったタービン発電機の回転子の強度の研究に従事。回転円板の破壊試験、基本的な材料試験などを通じて、材料力学の実務を習得。弾塑性有限要素法プログラムの開発を通じて、数値解析の分野も習得。天体望遠鏡「すばる」、携帯電話の構造設計、社内機械技術者教育にも従事。2010年 TMEC技術士事務所開設構造CAEツールや3次元CADツールを入れて設計効率化や品質向上を図るセミナーやコンサルティングを行う

専門技術:材料力学、破壊力学、弾性論、解析力学、有限要素法機械技術者育成教育、CAEスキル教育、3次元CADスキル教育設計論、設計のフロントローディング・コンカレントエンジニアリング・トップダウン設計

セミナー受講料

43,000円(消費税込)

セミナー趣旨

疲労破壊は、機器や構造物の部材に対して荷重が繰返して応力が発生すると、その応力によってまず微小なき裂(ひび割れ)が発生し、やがてそれが繰返しごとに少しずつ成長(進展)を始め、最終的には部材の破断に至るという現象である。

この疲労破壊は、発生応力が耐力を越えた大きなレベルで発生すると、繰返しのたびに新たな塑性変形が発生し、繰返し回数がほぼ1万回以下で破断に至るが、発生応力が耐力以下(すなわち弾性応力)で発生する場合には、1万回を超えて破断に至る。前者のような現象を低サイクル疲労、後者を高サイクル疲労と呼んでいる。

このような疲労破壊を防止することは永遠の課題であり、 機械設計者はその現象の仕組みを理解したうえで、発生防止の対策を講じなければならない。

また、疲労破壊にはき裂(クラック)の発生がつきものであるが、き裂の強度評価を行う場合には、材料を強度ではなくて靭性(脆さ粘さ)という面から検討するための破壊力学の知識も必要となってくる。

このセミナーでは、設計者が疲労の仕組みを理解できるように、また破壊力学が理解できるように説明し、疲労破壊の防止対策が簡単に行えるように解説する。

受講対象・レベル

疲労破壊の現象に対応する役割にある機械技術者

必要な予備知識

材料力学の基本的な用語が理解できていること応力の基本的な計算ができること材料力学で扱う基本的な量の単位がわかること

セミナープログラム

1.材料の強度評価の概要
1.力の作用の仕方と破壊現象
1.1.力の分類
  (1)作用方向による分類
  (2)作用時間による分類
  (3)発生原因による分類
1.2.破壊現象の分類
  (1)静的破壊、動的破壊、疲労破壊
  (2)延性破壊(安定破壊)と脆性破壊(不安定破壊)
1.3.材料の機械的性質
  (1)引張試験と応力−ひずみ線図
  (2)強度(強さ)と靭性(粘[ねば]さ、脆さ)
2.疲労破壊の現象と仕組み
2.1.疲労破壊の3段階
2.2.各段階での疲労破壊の進行の仕組み
2.3.S-N線図(応力振幅-繰返し回数線図)と疲労寿命
2.4.高サイクル疲労破壊と低サイクル疲労破壊
2.5.疲労限度
2.6.ギガサイクル疲労
3.疲労強度に及ぼす影響因子
3.1.応力振幅とひずみ振幅
3.2.平均応力、残留応力
3.3.変動応力(ランダム荷重)と繰返し回数の数え方
3.4.応力集中
3.5.寸法効果 
3.6.異種荷重の組合せ
4.疲労破壊を防ぐ方法
4.1.有限寿命設計と無限寿命(疲労限度)設計
4.2.第1段階・第2段階を防ぐ方法
4.3.第3段階(疲労き裂進展)を防ぐ方法
4.4.疲労き裂進展は許すが最終破断は防ぐ方法
5.き裂進展を定量評価する方法〜破壊力学の利用
5.1.強度と靭性の世界の違い
  (1)引張強さσBと、破壊靭性値KC
  (2)応力σと、応力拡大係数K
  (3)応力振幅σaと、応力拡大係数範囲ΔK
  (4)S-N(σa-N)線図と、き裂進展速度da/dN-ΔK線図
5.2.応力拡大係数Kの簡便な計算方法
5.3.第3段階での繰返し回数の概略計算方法
6.高サイクル疲労発生の防止対策
6.1.応力振幅・平均応力とS-N線図
6.2.平均応力、切欠き、残留応力の影響
6.3.S-N線図推定方法
6.4.疲労破壊の断面の様子
7.低サイクル疲労破壊の防止対策
7.1.ひずみ範囲と、Δε-N(ひずみ範囲-繰返し回数)線図
7.2.平均応力、切欠き、残留応力の影響
7.3.Δε-N線図推定方法
8.疲労強度検討の実例  (疲労寿命評価と疲労破壊防止策)
8.1.溶接継手への適用例
8.2.歯車
8.3.ねじ
8.4.はんだ接合部
9.まとめ
付録
1.破壊靭性値K1Cの測定方法・推定方法
2.き裂進展速度da/dN-ΔK線図の測定方法
3.安全率の合理的な設定方法