ミリ波を中心とした電磁波対策材料の技術・開発動向
開催日 |
9:55 ~ 16:00 締めきりました |
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主催者 | 株式会社ジャパンマーケティングサーベイ |
キーワード | 通信工学 高分子・樹脂技術 炭素系素材 |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | Webセミナー(Zoomウェビナーによるライブ配信)として開催いたします。 |
ミリ波を中心とした電磁波対策材料(シールド材料/吸収材料)の技術・開発動向を詳細に解説して頂くことによって、関連業界の方々の今後の事業に役立てていただくことを目的とします
セミナー講師
●10:00~12:30「ミリ波の電波シールド/電波吸収体の概要と原理、材料設計、応用展開」山形大学 名誉教授日高 貴志夫 氏 12:30~13:20 休憩時間(50分)●13:40~14:50「ミリ波広帯域電磁波吸収材の開発」株式会社KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室長中嶋 孝宏 氏●15:00~16:50「ナノワイヤーの開発と電波吸収材等への応用」ユニチカ株式会社 総合研究所 機能性コートグループ 主任研究員竹田 裕孝 氏※各講演時間に5分程度の質疑応答を設けます。
セミナー受講料
59,400円(税込) テキストを含む
セミナープログラム
1. ミリ波の電波シールド/電波吸収体の概要と原理、材料設計、応用展開
山形大学 日高 貴志夫 氏
5Gは2020年4月から本格的な運用が開始され、今後の展開に大きな期待が寄せられている。5Gの構想として広い周波数帯(ヘテロジニアスネットワーク)をカバーするための電磁波シールド・吸収材料として、磁性材料、誘電体、ナノ材料などが候補として挙げられている。ミリ波分野の市場要求は大きく、5G/B5G移動通信システム、ロボットおよび産業機械、遠隔操作、もしくはそれ以外での用途に分けられる。B5G移動通信の実施時期は2030年までのサービス開始を考えており、その周波数帯域は100GHzから300GHzに概ね確定している。近年では、B5Gへの機運が高まっているため、電磁波吸収/シールド材料を供給する市場での期待感も大きい。しかし、磁性材料はスネーク限界を超えてしまう為、ミリ波での用途が限定されてしまう。そこで、各人の自前の材料が新事業展開可能かを見極めるために、初学習者にも分かり易く説明する。
1. 第五世代移動通信(5G)の動向 1.1 5GMFの概要 1.2 5Gの三つの目標およびキーコンセプト 1.3 周波数に対応した電磁波吸収材料の選択のコツと可能性 1.4 B5Gとは何か(30ギガヘルツを越える高周波帯で性能が期待できる電磁波遮蔽・吸収材とは何か) 1.5 B5Gおよび6G(テラヘルツ)の動向 2. 電磁波の基礎 2.1 電磁波とは何か(電磁波の回り込みと透過する特性[波の特性]) a)電磁波の周波数マップ b)電磁波の発生原理 2.2 金属が電磁波を反射する原理(渦電流発生による電磁波遮蔽[シールド効果]) a)原理の解説 b)透磁率・誘電率による屈折 c)フレネル反射 2.3 電磁波を吸収する原理(電磁波吸収のメカニズム[熱変換]) a)シールドと吸収の違い b)電磁波吸収の原理 2.4 電磁波吸収のシミュレーション原理 a)誘電率と誘電正接 b)シミュレーション実施に必要な原理原則 c)シミュレーションで得られる情報 3. 電磁波シールド・吸収材料 3.1 シールド材料の紹介 a)材料の構造 b)求められている材料特性 c)代表的な材料の紹介 3.2 吸収材料の紹介 a)材料の構造 b)求められている材料特性 c)代表的な材料の紹介 4. 電磁波シールド・吸収材料設計のコツ 4.1 電磁波シールド材料設計のコツ 4.1.1遠方界をベースにした考え方 ・シェルクノフの式 ・遮蔽効果の考え方 4.1.2近傍界をベースにした考え方 ・マイクロストリップ線路法の考え方 ・伝送減衰率の求め方 5. 電磁波シールド・吸収材料の評価法 5.1 インピーダンスアナライザー(スペアナ)を用いる評価法 5.2 ベクトル・ネットワークアナライザーを用いる評価法 ・導波管法 ・共振法 5.3 自由空間法ついて(CISPR32法) 5.4 その他の評価法 *近傍磁界強度分布表示法 *反射・伝搬法 *空間定在波法 *TDR法 *大型導波菅法 *マイクロストリップ線路法 *KEC法 *容量法 *トロイダルコア法 *電波暗室・電波暗箱用吸収体 *Sパロメータ法の計算モデル 6. ノイズ抑制材料の商品化 6.1 商品化事例 6.1.1 磁性材料の粉末ビジネス a)狙い b)フィラーの開発 c)ナノコンポジット粉末の樹脂複合化事例(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など) 6.1.2 誘電材料のシート売りビジネス 7.まとめ
2. ミリ波広帯域電磁波吸収材の開発
株式会社KRI 中嶋 孝宏 氏GHz帯の高周波の電磁波を吸収するためには、低周波とは異なる材料の設計が必要となる。この帯域の吸収材として、樹脂にカーボン系フィラーを添加したものなどが知られているが、吸収する帯域が狭かったり、厚みや形状が限定されたりするという課題がある。KRIでは、樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、これまでに無かった広帯域の電磁波吸収材を開発した。講演では、その設計コンセプトや開発品の性能について紹介する。また、5GやBeyond5Gの次世代通信技術分野におけるKRIの取り組みについても紹介する。
3. ナノワイヤーの開発と電波吸収材等への応用
ユニチカ株式会社 竹田 裕孝 氏
近年、通信やセンシングにおいて、ミリ波以上の高周波数の電波利用が進んでいます。新しい周波数帯の電波を利用するためには、その周波数帯のノイズ対策(EMC対策)も必要になり、ミリ波以上のノイズ対策技術の開発が進んでおります。また、デバイス側の動きとしては、小型高集積化が進んでおり、ノイズ対策が複雑化し、コストアップや返品などのリスクになっている現状があります。 弊社では、そのような背景の中、ノイズ対策部材に開発中のナノワイヤーの使用を検討しております。 今回はその内容と今後について講演させて頂きます。
1.ユニチカにおける金属材料の開発背景 2.材料の観点からのノイズ対策部材の解説 3.ユニチカのナノワイヤーを使用したノイズ対策部材についての解説