フォノンエンジニアリングの基本的な考え方,熱伝導率の制御や測定,その応用
開催日 |
10:00 ~ 17:00 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 技術情報協会 |
キーワード | 半導体技術 計測工学 電子材料 |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | Zoomを利用したLive配信※会場での講義は行いません。 |
★ナノスケールでのフォノン輸送に基づく,エネルギーおよび熱伝導の制御・計測の考え方とは? ★放熱熱伝導,熱絶縁,熱電変換,量子工学,先端医療など,応用展開とその可能性
セミナー講師
【第1部】明治大学 理工学部電気電子生命学科 助教 博士(工学) 横川 凌 氏 【第2部】東海大学 工学部 応用化学科 教授 博士(工学) 高尻 雅之 氏【第3部】九州大学 工学研究院 機械工学部門 教授 博士(工学) 宮崎 康次 氏【第4部】東京工業大学 元素戦略MDX研究センター 准教授 博士(工学) 片瀬 貴義 氏 【第5部】千葉大学 大学院 工学研究院 教授 博士(工学) 石谷 善博 氏
セミナー受講料
1名につき66 ,000円(消費税込み,資料付)〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につ60,500円〕
受講について
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セミナープログラム
【10:00〜11:00】 第1部 フォノンエネルギーの測定方法,応用について 〜X線非弾性散乱法,ラマン分光法を中心に〜
●講師 明治大学 理工学部電気電子生命学科 助教 博士(工学) 横川 凌 氏【講座の趣旨】 近年,デバイスの高性能化に伴い熱が重要視されており,材料・デバイス中の熱特性を正しく捉えることは高効率デバイスを作製する上で欠かせない。計算によるフォノン輸送の予測,熱伝導および熱散逸の機構を調べる研究などが活発に行われている。本講座では,格子振動とフォノンの関係について触れたあと,フォノンエネルギーの評価手法として挙げられるX線非弾性散乱,ラマン分光法の原理,活用法について紹介する。 【セミナープログラム】1.はじめに 1.1 フォノンエンジニアリング 1.2 格子振動とフォノンの関係 1.3 フォノンエネルギー測定手法2.X線非弾性散乱法 2.1 原理 2.2 X線非弾性散乱装置 2.3 X線非弾性散乱スペクトル,フォノン分散曲線の一例 2.4 計算結果との比較3.ラマン分光法 3.1 原理 3.2 ラマン分光装置 3.3 ラマンスペクトルの一例 3.4 ラマンスペクトルの活用方法【質疑応答】
【11:15〜12:15】第2部 熱伝導やエネルギーの移動や制御への応用について 〜熱電変換材料など低い熱伝導率が求められる機能性材料を中心に〜
●講師 東海大学 工学部 応用化学科 教授 博士(工学) 高尻 雅之 氏【講座の趣旨】 機能性材料における熱(フォノン)輸送はそれを使ったデバイスの性能に大きな影響を与える。本講座では熱輸送が特に重要な熱電変換材料を中心に,フォノン輸送の実験的解析方法を紹介し,各種構造を持った材料のフォノン輸送について解説する。 【セミナープログラム】1.機能性材料における熱輸送 1.1 フォノンエンジニアリング 1.2 熱電変換材料とは 1.3 熱電変換材料におけるフォノンエンジニアリング2.熱輸送の測定方法 2.1 熱伝導率の測定 2.2 群速度の測定 2.3 フォノン平均自由行程の測定3.単結晶材料における熱輸送 3.1シリコン単結晶の表面酸化膜の影響 3.2 シリコン単結晶の配向性の影響 3.3 シリコン単結晶の不純物濃度の影響4.アモルファス材料における熱輸送 4.1 アモルファスシリコン薄膜 4.2 アモルファスシリコン・ゲルマニウム薄膜【質疑応答】
【13:15〜14:30】第3部 フォノンエンジニアリングに基づいた異種熱電材料間の界面熱抵抗と低熱伝導率化
●講師 九州大学 工学研究院 機械工学部門 教授 博士(工学) 宮崎 康次 氏 【講座の趣旨】 異種材料が接触する場合,接触面が完全に接触していても界面熱抵抗という 小さな熱抵抗が生じる。ナノテクを用いて,この界面の数を増大させると 見かけの熱伝導率を下げることができ,熱電変換材料の高効率化などに 応用が期待される。この界面熱抵抗について,実験と第一原理計算から アプロ—チした結果を解説しながら,それら手法にについて解説する。 【セミナープログラム】1.界面熱抵抗とは 1.1 熱伝導と界面熱抵抗 1.2 異種材料間の界面熱抵抗 1.3 界面熱抵抗を考慮した混合物の見かけの熱伝導率2.塗布熱電材料 2.1 熱電塗布膜 2.2 熱電塗布膜の熱伝導率測定 2.3 3オメガ法による異種材料の界面熱抵抗測定3.界面熱抵抗モデルについて 3.1 界面熱抵抗モデル(DMM, AMM, MTM) 3.2 フォノン分散関係 3.3 古スペクトルDMMモデルによる計算とメカニズム理解4.機械学習を用いた分子動力学計算 4.1 分子動力学法について 4.2 MTPポテンシャルについて 4.3 得られた熱伝導率と界面熱抵抗【質疑応答】
【14:45〜15:45】第4部 相転移材料を用いた熱・電気輸送の制御
●講師 東京工業大学 元素戦略MDX研究センター 准教授 博士(工学) 片瀬 貴義 氏【講座の趣旨】 当研究グループでは,2次元から3次元の結晶構造への可逆変化によって,低温では断熱し高温では放熱する新材料を開発した。本講演では2次元−3次元構造転移材料・合成プロセスの設計方法から電気・熱伝導特性の特徴について紹介する。 【セミナープログラム】1.2次元-3次元構造転移材料 1.1 2次元・3次元構造物質の特徴 1.2 2次元-3次元構造転移材料の設計 1.3 非平衡合成プロセス2.2次元-3次元構造転移材料の構造と物性 2.1 結晶構造 2.2 電気・熱伝導特性 2.3 電子構造・フォノン状態計算3.2次元-3次元構造転移材料の応用 3.1 構造転移温度の制御 3.2 電場印加構造転移 3.3 材料系拡大による将来展望4.散逸エネルギー測定 4.1 散逸エネルギー測定の原理 4.2 散逸エネルギーによる疲労限界点の予測測定【質疑応答】
【16:00〜17:00】第5部 フォノンモードを区別したラマン分光計測による半導体デバイスにおける熱流・熱効果観測とフォノン制御・利用
●講師 千葉大学 大学院 工学研究院 教授 博士(工学) 石谷 善博 氏 【講座概要】発光デバイスやトランジスタ等では電子とフォノンの相互作用を考慮すると,音響・光学フォノンモードを区別した観測解析と制御が求められる。ラマン分光による計測・解析手法やフォノンの輸送制御・新たな利用法について解説する。 【セミナープログラム】1.音響フォノンと光学フォノン 1.1 音響フォノンと光学フォノンの特性 1.2 音響フォノンおよび光学フォノンと電子の相互作用 1.3 電子・光デバイスにおけるフォノンモード区別の重要性2.ラマン散乱分光 2.1 ラマン散乱原理,ストークス光とアンチストークス光 2.2 光学フォノンと音響フォノン 2.3 ラマン散乱分光による3次元フォノン輸送計測 2.4 時間分解分光でわかること3.縦光学フォノンを用いたTHz〜中赤外線発光 3.1 半導体表面マイクロ構造からのTHz〜中赤外発光原理 3.2 超高速発光と効率:フォノン利用の優位性 3.3 今後の応用可能性
【質疑応答】