(株)三上建築事務所:図書館の書架を再考し、図書館建築の近未来を考える
開催日 | オンデマンド |
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主催者 | JPI (日本計画研究所) |
キーワード | 建築技術 工業デザイン |
開催エリア | 全国 |
~書架の力学的特性 書架デザインの実践~
開催日:2023年01月18日
セミナー講師
株式会社三上建築事務所代表取締役益子 一彦 氏
【1959年】 茨城県生まれ【1983年】 武蔵工業大学工学部建築学科 卒業 三上建築事務所 入所【2001年】 取締役 副所長【2005年】 代表取締役【2017年】 筑波大学情報学群 非常勤講師(「図書館建築学講座」担当)
セミナー受講料
1名:33,790円(税込)2名以降:28,790円 (社内・関連会社で同時お申し込みの場合)
受講について
<1>メールで請求書をご送付します。ご入金確認後、視聴URLと配付可能な講演資料をお送りします。<2>視聴期間は4週間です。期間を過ぎての対応は致しかねます。<3>ご受講者様ご自身での視聴に限らせていただきます。
セミナー趣旨
新聞・ラジオ・テレビが主役であった時代、メディアは世界中の事象から特筆すべきものを選別して配信してきた。そして、私たちはメディアの情報を疑うことなく受容してきた。今日SNSを手にした私たちは情報を発信する側にもなり、世界中の数多の事象が流通することになった。画像・映像の加工の容易性とその精度も著しく高まり、私たちは情報の信憑性と価値を見極めるリテラシーの具備しなければならない状態に置かれることとなった。そして私たちの読書を嗜む媒体はデジタル移行し、調査・研究の折にはGoogleやWikipediaを無意識に頼っている。もはや図書館の最大のライバルはスマートフォンといってもよい。不可視なほどに巨大な集積と連結を背景としながら私たちの掌に載るライバルの出現に、図書館はかつての役割に安住できなくなり、変容を迫られている。今図書館は、建築がなくとも仕組みは成立する可能性をもつ。それでも、今なお図書館は建築を必要としている。しかしそれは、図書館建築が従前の様相を継承することを意味してはいない。それは先進事例を参照するまでもなく、図書館の役割が従来の資料の在り処から大きく変わることを意味している。2000年私は、今はなき雑誌『本とコンピュータ』に「Shelf」という小論を発表した。図書館において、本も雑誌も現物もモニターも同列に配列し、確かな情報を利用者に提供する仕組みを志向するものだった。現在に至るまでの四半世紀の私たちの図書館建築の実践はその具体化であり、本を前提とした図書館建築のセオリーに基づき、書架を基本に図書館空間を組み立てるものであった。書架は、提供するための本を収容するものである。同時に、本という図書館の仕組みと建築を構成する最小単位を、空間へと拡張する装置でもある。しかし、空間に比較すれば極めて地味な存在であり、ややもすれば些末な対象として扱われる。しかも、もしかしたらやがては不要となるかもしれない。図書館が変容している今、敢えて私たちが実践してきた本の在り処としての図書館空間の組み立ての手法と技法、更には書架に纏わる細部を公開したいと思う。図書館に関わる方々に図書館と図書館建築の未来を考察する一助として頂けるであろうと考えるからである。
セミナープログラム
1.「Shelf」の考察 (1)本棚の歴史 (2)「Shelf」という考え方2.図書館空間における書架とその配列 (1)書架と本の基本的な関係 (2)図書館建築計画における書架配列の基本 (3)建築計画における実践3.書架の実践の変遷とそのDetail (1)書架の力学的特性 (2)書架デザインの実践4.図書館建築の近未来考