各気体分離膜のガス透過メカニズムと透過性向上・CO2分離膜を中心とした応用・要求特性と今後の課題【LIVE配信・WEBセミナー】

49,500 円(税込)

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開催日 10:00 ~ 14:00 
主催者 (株)AndTech (&Tech)
キーワード 地球温暖化対策技術   化学反応・プロセス   高分子・樹脂材料
開催エリア 全国
開催場所 ※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です

気体分離膜のガス透過メカニズムと 水素・CO2分離膜の技術動向と課題について詳解!

■注目ポイント ★膜を用いたガス分離法について、その基礎と概要を解説する。また、膜による水素分離およびCO2分離の技術開発動向を解説!★m-DACの評価と課題とは?ゼオライト分離膜を利用した分離プロセスの開発状況、特に有機溶剤(バイオエタノール等)の脱水やガス分離、オレフィン精製、炭化水素分離技術への展開は?

【注意事項】本セミナーは講師の方のスケジュールの関係で、お昼休憩が多く取れないため、視聴しながら、ご覧いただけるようご昼食を用意くださいませ。ご了承くださいませ。何とぞ、よろしくお願いいたします。

セミナー講師

第1部  山口大学  大学院創成科学研究科 循環環境工学分野 教授  田中 一宏 氏 第2部  九州大学  カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授  藤川 茂紀 氏 第3部  早稲田大学  先進理工学研究科 応用化学専攻 教授 工学博士  松方 正彦 氏

セミナー受講料

●1名様  :49,500円(税込、資料作成費用を含む)●2名様以上:16,500円(お一人につき) ※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません

セミナープログラム

【第1講】 気体分離膜のガス透過メカニズムとCO2分離【時間】 10:00-11:15【講師】山口大学 大学院創成科学研究科 循環環境工学分野 教授 田中 一宏 氏

【講演主旨】低炭素社会の観点からCO2ガスの分離技術が注目されている。従来の蒸留法、吸着法、吸収法に比べて原理的にエネルギー消費量が少ない膜によるガス分離は安価な高分子膜が用いられることが多い。その特性が発揮できる特定の用途への利用は広がっている。また、従来のものよりも高い性能を持つガス分離膜の開発も進んでいる。より高性能なガス分離膜の登場は膜ガス分離の新たな用途を開く可能性もある。しかし、膜ガス分離法は大学の講義ではほとんど扱われてないため、認知度が低く、基礎知識を持つ技術者は少ない。本講座は、CO2分離膜の最先端研究を理解するために必要な、膜を用いたガス分離法の基礎と特徴を解説する。

【プログラム】1.膜ガス分離とはどのようなものか? 1-1.膜ガス分離プロセス 1-2.蒸留法、吸収法、吸着法との比較 1-3.膜ガス分離の適用例 1-4.透過係数とパーミアンスと圧力差 1-5.分離膜の分離係数

2.ガス分離膜はどのようなものか? 2-1.膜の断面構造 2-2.非対称膜と複合膜 2-3.高分子膜モジュール 2-4.炭素膜 2-5.シリカ膜 2-6.ゼオライト膜

3.なぜ分離できるのか? 3-1.ガス分子の動力学直径と臨界温度 3-2.透過メカニズムの一般論 3-3.シリカ膜のガス透過 3-4.炭素膜のガス透過 3-5.ゼオライト膜のガス透過 3-6.高分子膜のガス透過 3-7.促進輸送膜

4.実用化を検討するときの注意点 4-1.欠陥率と膜の分離係数 4-2.膜モジュールの分離性能 4-3.圧力比と膜モジュールの分離性能 4-4.可塑化効果 4-5.エージング

5.CO2の膜分離の可能性 5-1.CO2分離膜の用途 5-2.実用化の例 5-3.実用化のポイント   5-4.開発の課題

6.まとめ

【質疑応答】

【習得できる知識】・膜によるガス分離プロセスをイメージできる。・素材の異なるガス分離膜のガス透過現象をイメージできる。・関連学会でガス分離膜の研究発表を聴講するときに役立つ基礎知識を習得できる。

【講演のポイント】 膜を用いるガス分離法は大学の講義ではほとんど扱われていない。本セミナーでは、膜による水素分離およびCO2分離に関する研究発表を聴講する際に役立つと考えられる基礎知識を中心に解説する。

【第2講】 膜を使った新たなCO2分離のアプローチm-DAC【時間】 11:20-12:35【講師】九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授 藤川 茂紀 氏

【講演主旨】地球温暖化対策として、火力発電所などの大規模CO2排出源からのCO2回収に関して開発が進められてきましたが、これだけではIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change 気候変動に関する政府間パネル)の目標である気温上昇1.5度以下を実現するのは不可能であり、大気中に放出されてしまったCO2の回収(DAC:Direct Air Capture)が必要となっております。これに対し私たちは、地球上にどこにでも存在する「大気」という特徴を最大限生かすため、”どこでもCO2回収(ユビキタスCO2回収)”という新しい概念のCO2回収技術実現に向け、分離膜による大気からのCO2回収を目指しております。本講演では、その国内外の動きから実際の分離膜作製の研究開発動向までを詳細に解説します。

【プログラム】1.CO2回収技術の動向 1-1 「温暖化」と二酸化炭素排出量  ・日本の部門(業界)別二酸化炭素排出量の割合  ・世界の国別二酸化炭素排出量 1-2 CO2分離・回収技術の各方法・概要・適用先 1-3 CO2排出源の種類(石炭火力、化学工業など)と圧力・CO2濃度 1-4 イノベーションによるコスト削減:CO2分離回収の例 1-5 CO2回収関連技術の開発の見通し(技術ロードマップ) 1-6 「2℃目標達成」を実現する排出シナリオ2.ネガディブエミッションの必要性と技術概要 2-1 主なネガディブエミッションテクノロジー(NETs)とその比較 2-2 大気、陸地、海洋、地質の各貯留層における炭素の主な流れ 2-3 カーボンリサイクルロードマップ(現在~2040年以降) 2-4 CO2利用(リサイクル)先  ・基幹物質、化成品、燃料、鉱物

3.Direct Air Capture 技術の動向・課題点 3-1 基本的なDACプロセス 3-2 CO2回収技術を担う中核の化学種 3-3 なぜアミン誘導体なのか? 3-4 欧米企業のDAC技術分類と各社の技術的特徴 3-5 各CO2回収技術のコスト比較  ・溶液吸収法、固体吸着法、膜分離法

4.分離膜によるDAC技術(m-DAC)の利点と特徴 4-1 膜の構造と種類 4-2 膜分離メカニズム  ・クヌッセン拡散、分子ふるい、溶解拡散 4-3 非多孔質膜の基本的な透過機構 4-4 気体の膜透過 4-5 主な均質高分子フィルムの酸素、二酸化炭素、水蒸気の透過係数 4-6 CO2分離膜に求められる性能 4-7 ポリマー膜中における分子拡散のメカニズム 4-8 分離膜のガス透過性向上:5つの観点 4-9 分離膜における解決すべき課題:3つの観点

5.DAC向け分離膜の開発動向 5-1 膜によるDACのポテンシャル 5-2 膜によるDACの可能性  ・ナノ膜による多段分離へ 5-3 選択性の向上に向けて 5-4 分離膜の研究開発事例  ・どのような材料で、どのような性能が出たか  ・どの成膜方法が採用されているか

6.将来展望 6-1 炭素資源としてのCO2 6-2 「“ビヨンド・ゼロ”社会実現に向けたCO2循環システムの研究開発」 6-3 地産地消型炭素資源循環社会 6-4 ビジネスビルにおけるCO2回収のポテンシャル 6-5 分離ナノ膜が実現する分散型DAC-Uシステムの可能性

【質疑応答】

【第3講】 膜分離プロセスの基礎とCO2・水素などの活用に向けた最新動向・将来展望【時間】 12:45-14:00【講師】早稲田大学 先進理工学研究科 応用化学専攻 教授 工学博士 松方 正彦 氏

【講演主旨】2050年カーボンニュートラル達成に向けては、エネルギー・化学産業における二酸化炭素・バイオマスなどへの原料転換に対応する新規プロセス技術開発が必要とされており、なかでもプロセスの省エネルギー化には分離技術の革新は必須です。特に、分離膜はその省エネ性において他の技術とは一線を画した効果があります。ここでは分離膜の基礎からはじめ、分離膜技術開発の必要性、効果について、また無機分離膜を中心に最先端のプロセス開発の提案までを概観します。

【習得できる知識】・膜分離の基礎、特に無機分離膜の種類と構造、分離性能・膜分離を活用した化学プロセス革新の可能性・2050年カーボンニュートラル達成に向けての分離膜技術の貢献

【講演のポイント】 ゼオライトの合成と吸着・触媒作用に関する専門性を基盤として、カーボンニュートラルの達成に資する反応・分離技術について紹介が可能。

【プログラム】1.膜分離技術とは?2.分離膜の基礎 2-1.分離膜の概要 2-2.液相系の膜分離の基礎 2-3.気相系の膜分離の基礎

3.無機分離膜の種類と基本的な機能

4.ゼオライト分離膜の基礎 4-1.ゼオライトとは? 4-2.様々なゼオライトの構造 4-3.ゼオライトの物理化学的特性 4-4.ゼオライト分離膜のこれまでの研究の経緯

5.ゼオライト分離膜を利用した分離プロセスの開発状況 5-1.有機溶剤(バイオエタノール等)の脱水 5-2.ガス分離  5-2-1.オレフィン精製  5-2-2.炭化水素分離

6.分離膜を用いたプロセスの構築 6-1.オレフィン分離精製プロセス 6-2.膜反応器(メンブレンリアクター)  6-2-1.エステル化など液相反応  6-2-2.メタノール合成  6-2-3. 逆シフト反応  6-2-4.フィッシャートロプシュ合成  6-2-5.アルカンの脱水素

7.その他の分離膜の最新動向