書評検索結果
10件中 5~8件目
ソフトウェアテストHAYST法入門
投稿日 2016/06/09
本書は富士ゼロックスで実際にソフトウェアテストに使用されている直交表の適用方法、ノウハウを公開したものです。
富士ゼロックス社ではコピー機がカラー化、複合機化することで組込ソフトが肥大化し、検査の合理化が必須となりました。
それに対応して1990年代から直交表の利用が始まり、次第にノウハウが蓄積され、HAYST(Highly Accerarated and Yield Software Testing)法と名づけられました。
その特徴は、2水準系の直交表だけを利用しながら複数列を組み合わせることで、4,8,16といった多水準列が容易にできるところです。
企業内で成功した方法ですので、単なる理論書ではなくページの端々に気配りが盛り込まれており、導入すれば効果があるだろうという安心感があります。
膨大なテスト項目を目前にして、茫然としているテスト担当リーダーにおススメの一冊です。
「続・技術者の意地」長谷部光雄著
投稿日 2015/08/21
本書は品質工学の有効性を小説風に解説して好評を博した「技術者の意地」の続編です。前作では仮想メーカーの開発現場を舞台に、多くの技術屋が「あるある」風に抱える開発設計の問題をステップを追いながら解決していく物語でした。
この続作では、製造工場の中国移設を計画中の組織が日本と中国の生産現場の違いを検討する中で品質工学を学びながら、技術の本質を理解していく課程をやはり小説形式で解説していきます。
底流には市場問題を設計開発段階で未然防止する品質工学と、作業基準を守る事で問題発生を防止する品質管理の融合という重いテーマがありますが、「あるある」の例話に乗せられてすーっと理解できるところが嬉しいところです。
設計と製造の狭間で悩めるあなたにおススメの一冊です。
「タグチメソッドのはなし」長谷部光雄著
投稿日 2015/01/07
本書は、日本で最も分かりやすく品質工学を説明する長谷部光雄の11冊目の著作で、今回も納得性のあるたとえ話を多用して、難解と言われるその考え方と手順を解きほぐしています。
これまでの著書では主に機能性評価やパラメータ設計を中心に扱っていましたが、今回はオンライン品質工学やMTシステムまで分野を拡げて、タグチワールド全貌の解明に挑戦しています。さらに品質工学が得意とする技術の安定性、信頼性を超えて、機能が破綻した場合の「安全性」への考え方、対処法を記述しているのは長谷部さんらしいところです。
これ一冊ですべての品質工学手法を駆使できるようになるには無理がありますが、一般の技術者が持つべき心構えを知り、そのための強力な考え方と手法の両側面を持つ品質工学の
全体像を把握するには好適な書です。
「実験計画法-方法編-」山田秀著
投稿日 2013/08/07
(1)タグチメソッド、(2)Boxによる応答局面法、
(3)Kieferによる最適計画に分流してきました。
しかも出版された2009年当時の最新の動向を取り込む方針で
執筆されています。
著者の思い入れが強い印象で、
初心者には決して親切な本ではありません。
多面的な解釈を求める人にお勧めします。