書評検索結果
8件中 1~4件目
「進化型QFDによる技術情報の使える化」岡建樹他著
投稿日 2019/07/17
本書は、精密機器メーカで開発プロセス工学を長らく研究してきた著者による、新たなQFD活用の提案書です。
QFD(品質機能展開)は、比較的手軽に使い始めることができる割に、開発上流工程での効果が大きいために、ものづくりドットコム内でも強く利用を勧めています。
本書では従来QFDのマトリクスを内側2元表と呼び、これに対して外側二元表という新たな概念を設定することで、これまでは表現できなかった効果を提示します。
それによって従来個別に利用されてきたFMEA、TRIZ、品質工学などとも連携し、システマチックな運用が可能とします。
若干複雑で、私も理解しきれていませんが、既にQFDを利用していてまだ十分効果を出しきれていないと感じる上級者におススメです。
「製品開発は機能にばらして考えろ」緒方隆司著
投稿日 2018/07/05
本書はオリンパス社で長年、効率的な開発プロセスを検討し、実践してきた著者による、開発段階での課題解決方策の集大成です。
本書の構成は、開発テーマの設定からコストダウン、特許化、効率的な評価、リスク回避など7つの目的別ソリューションごとに、かなり具体的な手順解説からなります。
ここで示されるアプローチは、近年の開発設計で大きな潮流であるQFD(品質機能展開)、TRIZ、タグチメソッドの活用を軸としつつ、VE、TOC、DRBFM、AHPといったツールが次々に出てくるため、
予備知識なしに実行するのはなかなかハードルが高そうですが、実効があったひとつのモデルとして、自社プロセス構築への参考としてみたら良いでしょう。
技術開発、設計の非効率性、不安定性に悩む技術部門長や技術管理部門長におススメです。
「これで使えるTRIZ/USIT」粕谷茂著
投稿日 2015/11/06
技術的アイデア発想法TRIZを改良する目的で考え出されたUSITですが、思いのほか情報は発信されてなく、関心のある一部の部門でだけ使われているように見えます。
本書は、ものづくり.comで最も多くの記事を提供している著者が、まだUSITの評価が確立していないうちに上梓した貴重な本です。
TRIZの解説部分では、省略されることの多い9画面法、セルフ-Xまで解説し、40の発明原理にはすべてに図解入りの事例を挙げて、もちろんUSITにも適用事例が示されています。
これからTRIZ/USITを学習しようとする方には大いに参考となる一冊です。
「TRIZ入門」畑村洋太郎著
投稿日 2015/10/27
あの福島原発の事故調査委員会の委員長を務め、失敗学でも有名な著者によって1997年に出版されたTRIZの解説書です。
畑村氏はこの出版の10年以上前から同様の研究をやっていましたが、TRIZを知るに至って当然強力な関心を示してその有効性を確信し、多くの関係者が興味を示すこととなって、本書出版となったようです。
20年近く前の書籍ですから、これを以て最新のTRIZを学習するのは危険ですが、今では多くの企業で当然のように使われているTRIZが、導入時にどのように扱われていたかを知る貴重な資料です。
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