書評検索結果

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「イノベーションのジレンマ」C.クリステンセン 著

投稿日 2014/03/20

本書は成功を収めた大企業が、顧客の要望に応えて製品を持続的に改善しているうちに、新興企業が全く新しい技術(破壊的イノベーション)で市場を席巻するという理論をクリステンセン教授が、多くの事例を挙げて解説した技術経営の名著です。

本書の事例であるディスクドライブなどだけでなく、近年ではデジカメやゲーム機など当てはまる例には困りません。

大企業が手掛けると、既存の収益を毀損してしまうために、分かっていても対応が遅れてしまいます。

製品だけでなく、新興国のシンプルで安い製品に押されて、高性能、高機能に独自進化した日本技術そのものがジレンマに陥っているとも見れそうです。

「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」 井関利明/山田眞次郎 著

投稿日 2014/03/04

本書はソーシャルマーケティング、ライフスタイルからワインまで守備範囲の広い文科系の慶応大学名誉教授井関氏と、工学の世界から起業支援に進んだ山田氏が、MONOの会議室で400時間に渡って議論した100万字を文字起こしして分類し、最終的に18万字420ページに集約して完成したものです。

ここでは戦後のビジネスパラダイムを以下の3つに分類しています。
(1)一方通行の技術革新パラダイム
(2)I&C革命で可能となった作り手と受け手の双方向パラダイム
(3)SNSを使った多対多の協働パラダイム

日本はすでに第2のカーブで世界の先頭集団から周回遅れとされましたが、今からでも第3の波を捕える努力をすべきと結論付けています。さらにそのための方策として「物語」性を評価軸にするという提言が、私の最近の思考法とも同期して興味深く読み進むことができました。

「企業戦略論」ジェイB・バーニー 著

投稿日 2012/09/18

2002年に米国で出版され、2003年に和訳された本書は、比較的歴史が浅く、
競争、組織、財務、全社、事業、提携、コストなどと個別に扱われる事が
多かった戦略論を、網羅的に扱った意欲的な大作であり、原著は600ページ
和訳では3分冊あわせて900ページにもなります。
とはいえ過去10年間のFortune誌とWall Street Jarnal誌の記事のいずれに
も対応しない項目は外したという、実践的な内容のみが厳選されています。
豊富な事例や各章末に演習問題が付いていることもあって、欧米のMBAの
テキストとして人気があるようです。
バーニーが提唱するVRIOについてはかなり詳細に解説されており、戦略
担当者が座右に置き、必要に応じて該当の章を参考にする書籍です。

「MBA経営戦略入門」内田学著

投稿日 2012/08/21

マーケティング同様、経営戦略関連の書籍も数多い中で、アンゾフを扱っ
ているものは意外に少ないものです。
本書は「経営の羅針盤」「競争への対処」「成長の維持」「多様化の戦略」
という4ブロックからなり、戦略ツールを使いながらステップを追って理解
を進めていくのが特徴です。各章ごとにケース学習と練習問題があるので、
初級者にやさしい構成となっています。