書評検索結果

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「Rとグラフで実感する生命科学のための統計入門」石井一夫著

投稿日 2017/03/17

本書は書名の通り生命科学者が統計を使う時の参考書です。

統計用のオープンソース「R」は、あらゆる統計処理ができる優れものですが、独学で使いこなそうとするとちょっと敷居の高さが感じられます。
その点で本書は、統計の手法やキーワード毎に各節が構成されており、解説とエクセルおよびRでの利用事例が2から4ページで、冗長な説明はなく、必要かつ端的な分量で掲載されています。計算機統計学が専門の著者だけあって、守備範囲も平均、標準偏差からシミュレーションまで広範囲にわたっています。
各節冒頭には生命科学との関連性が記載され、事例も生命科学を多く扱ってはいますが、工学など他の分野でも、Rを使って広く統計処理する際の参考書として十分に役立つでしょう。

「工程能力指数 実践方法とその理論」永田・棟近 著

投稿日 2013/04/17

製造業の工程管理と言えば、管理図と共に良く活用される工程能力指数です
が、その名を冠する書籍はこれまで発刊されておらず、品質管理や統計
解説書の一節として扱われてきました。
JSQC選書の一巻として1年半前に出版された本書は、日本由来とも言われ、
シックスシグマの語源にもつながるこの評価方法を徹頭徹尾詳説します。
特に一般の参考書ではお目にかかれない工程能力指数の点推定、区間推定
や、データが正規分布していない場合など、興味深い考察が満載です。
工程能力の評価に日々悩んでいる方にお勧めです。

「実践SQC虎の巻」日本規格協会名古屋QC教育研究会編

投稿日 2013/04/03

名古屋地区は輸送機器大手が軒を連ねている事もあり、以前よりSQC
(統計的品質管理)が盛んなところです。日本規格協会名古屋QC教育
研究会が編集した本書も、自動車関連企業の執筆陣が並んでいます。
SQCの教育は、ややもすると統計的な意味や機械的な適用法に終わって
しまいがちで、それでは本当の解決につながらない事も多いものです。
本書では50件もの例題の解説に比重を置き、ヒストグラム、管理図から
多変量解析まで、実践データに基づいて解説してくれます。
第1章のビギナー編でも、統計式がばんばん出てきますので、基礎的な教育
を一通り受けた中級者向けと言えそうです。

「SQC教育改革」永田靖著

投稿日 2013/02/06

SQCだけではありませんが、各種改善活動は内容の理解よりみんなに実行
してもらうのが大変です。
統計や実験計画法の良書を多数出版している著者が、統計的品質管理の
重要性と典型的な導入手順を、若干趣向を変えて小説風に解説しました。
革新活動の担当者が、試行錯誤しながら組織内に活動を根付かせ成果を
上げていく経緯は、実際の担当者の参考になることでしょう。