書評検索結果

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「進化型QFDによる技術情報の使える化」岡建樹他著

投稿日 2019/07/17

本書は、精密機器メーカで開発プロセス工学を長らく研究してきた著者による、新たなQFD活用の提案書です。

QFD(品質機能展開)は、比較的手軽に使い始めることができる割に、開発上流工程での効果が大きいために、ものづくりドットコム内でも強く利用を勧めています。

本書では従来QFDのマトリクスを内側2元表と呼び、これに対して外側二元表という新たな概念を設定することで、これまでは表現できなかった効果を提示します。

それによって従来個別に利用されてきたFMEA、TRIZ、品質工学などとも連携し、システマチックな運用が可能とします。

若干複雑で、私も理解しきれていませんが、既にQFDを利用していてまだ十分効果を出しきれていないと感じる上級者におススメです。

「製品開発は機能にばらして考えろ」緒方隆司著

投稿日 2018/07/05

本書はオリンパス社で長年、効率的な開発プロセスを検討し、実践してきた著者による、開発段階での課題解決方策の集大成です。

本書の構成は、開発テーマの設定からコストダウン、特許化、効率的な評価、リスク回避など7つの目的別ソリューションごとに、かなり具体的な手順解説からなります。

ここで示されるアプローチは、近年の開発設計で大きな潮流であるQFD(品質機能展開)、TRIZ、タグチメソッドの活用を軸としつつ、VE、TOC、DRBFM、AHPといったツールが次々に出てくるため、
予備知識なしに実行するのはなかなかハードルが高そうですが、実効があったひとつのモデルとして、自社プロセス構築への参考としてみたら良いでしょう。

技術開発、設計の非効率性、不安定性に悩む技術部門長や技術管理部門長におススメです。

「XCNクロスチェック付きなぜなぜ分析」鶴田明三著

投稿日 2017/07/20

エアバッグのリコールで経営が立ち行かなくなったタカタなど、市場品質問題は突然企業に降りかかります。本書では、多数提案されている未然防止の方法を、筆者が三菱電機在職中に統合考案した仕組みが示されます。

端的に言えば、機能展開となぜなぜ分析、外乱のリストを組み合せたもので、個々の手法自体は広く使われています。しかし品質工学のパラメータ設計をしようにも、基本機能や誤差因子をどう選択すればよいのか、初心者には難しい作業です。

本書で示された手順とノウハウに留意しながら進めることで、一定レベル以上の成果が期待されます。しかもこの方法に準拠した表計算シートが付録に付いていますから、一度試してみない手はありません。。

設計のフロントローディング化に悩む、技術・品質部課長さんにおススメの一冊です。

「品質管理のためのカイゼン入門」山田秀著

投稿日 2012/12/04

本書は、改善の進め方や役立つ手法をまとめた新書サイズの入門書です。
基本的な考え方から重要事項、デミングサイクルの各ステップの詳細まで
一通りやさしく解説されているので、全くの初心者が第一歩として読むのに
最適でしょう。
手法類もQ7、N7からQFD,タグチメソッド、ワイブル解析まで広範に
扱っていますが、さすがに浅い説明となっており、これだけで実践する事は
難しいでしょう。