書評検索結果

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「品質管理のためのカイゼン入門」山田秀著

投稿日 2012/12/04

本書は、改善の進め方や役立つ手法をまとめた新書サイズの入門書です。
基本的な考え方から重要事項、デミングサイクルの各ステップの詳細まで
一通りやさしく解説されているので、全くの初心者が第一歩として読むのに
最適でしょう。
手法類もQ7、N7からQFD,タグチメソッド、ワイブル解析まで広範に
扱っていますが、さすがに浅い説明となっており、これだけで実践する事は
難しいでしょう。

「ベーシックオンライン品質工学」田口玄一/横山巽子 著

投稿日 2011/04/17

この本は'89年に刊行され当時ほぼ唯一のオンライン解説書だった「製造
段階の品質工学」(田口玄一)を改訂し、単語や事例、演習問題も一新し
て'09年に発行された比較的新しい書籍です。
田口氏が考案したオンライン公式を網羅し、丁寧に解説しているため、こ
れ以外の書籍は不要でしょう。現に上述の「製造段階~」以外に類書を見
たことがありません。
オフライン品質工学やMTシステムに比べると数式が極めて簡単で、この
本を読めば容易に使えますので、製造部門には是非常備してほしい1冊で
す。

「TQD」ドン・クロージング

投稿日 2011/04/04

本書はMITのクロージング教授が今から17年前に執筆したもので、当時
としては斬新な製品開発のフレームワークを示しました。TQD(Total 
Quality Development)とは、単純化して言えば「コンカレントエンジニア
リング」「QFD」「タグチメソッド」を統合した考え方であり、80年代
米国の製造業が惨敗した調査として日本企業(主に富士ゼロックスという
話もある)のプロセスを研究した著者の結論でした。
冒頭の第1章に示される製品開発現場の問題は、現代の日本企業組織でも思
い当たる人が多いと思われます。
和訳でも400ページを超える大著ですが、翻訳者の一人である立林和夫氏の
HP下記頁に要旨が掲載されていますので、参考としてください。

「入門タグチメソッド」

投稿日 2011/01/10

 品質工学関連の図書は非常に多く、入門書から上級者向けまで軽く50冊
 を超えます。それは非常に有効ながら、習得するのが容易でない事の現
 れと言えるのですが、本書はそれらの中でも良書の一つです。元富士ゼ
 ロックスに勤務されていた立林和夫氏の著作で、日科技連から'04年に出
 版され、その年の日経品質管理文献賞を受賞しています。
 損失関数から説明する類書と異なり、敢て最も活用者が多いパラメータ
 設計から始めて、後半にはオンラインやMTシステム、ソフトウェアテ
 ストまでカバーします。最低限の数式はあるものの、適切に選ばれた事
 例で解説されると、大体理解したような気分になりそうです。