仕事関数/イオン化ポテンシャルの計測・評価と制御・利用 事例集
構成
発刊:2010年9月27日 体裁:B5判 353ページ
分野
固有技術 > 高分子・樹脂技術
制作
価格
72,600円 (税抜 66,000円) 1点 在庫あり
商品説明
皆様の手で仕事関数/イオン化ポテンシャルを測定・利用するために…
・最新の研究から、理論・計測法を詳細に解説し、仕事関数/IPの理解をより踏み込んだ領域へ。
・材料別・デバイス別の事例を豊富に収録し、実際の測定・利用から実践手法を把握。
・電極用金属・有機半導体・透明導電膜・高分子・有機無機ハイブリッド・CNT
・有機TFT・有機EL・有機/色素/シリコン太陽電池・LED照明・電子写真材料…
お手元のサンプル測定とデータ解釈が、この1冊ですぐにでも!
◎理論・原理…計測・制御に向けた基本事項とは?
●仕事関数の定義/電子親和力およびイオン化エネルギーとの関連
●各種理論・第一原理計算 (半経験・量子力学・吸着系・合金系)
●真空・実効・局所仕事関数
●ショットキー接合・MOS
●仕事関数を決定付ける要因 (バルク項と表面項・組成・表面修飾)
●非理想アライメントの考慮 (Sパラメータとフェルミレベルピンニング/電荷中性点/他)
◎計測法各種…各手法の理論から事例まで詳解する
●光電子分光・光電子収量分光 (手法と装置/界面電子構造測定)
●大気中光電子分光法 (金属材料/有機材料)
●電子放出分布計測法・ショットキーバリア高さの測定
●ケルビンプローブ
●阻止電位法・表面電離法・CV
●微小領域・局所仕事関数の計測法 (走査トンネル顕微鏡(STM)~LBH・STSの計測法~原子間力顕微鏡(AFM)の利用)
●界面のバンドアライメント評価 (手法各種/金属-無機半導体・金属-酸化物・金属-有機半導体・積層膜の事例)
◎材料事例…多様な事例をデバイス応用のために
●電極用金属材料 (Mg,Al・Ag,Pd)
●酸化物修飾した金属表面 (ZrO/Mo・Yoxide/W・Hfoxide/W)
●非金属の電極材料 (ホウ化物・酸化物)
●C12A7エレクトライド
●有機半導体・導電性高分子との接合界面 (金属・電導性酸化物・導電性高分子同士)
●透明導電膜 (ITO・その他・有機自己組織化膜修飾による仕事関数制御・表面洗浄と仕事関数)
●高分子・絶縁性材料
●有機-無機ハイブリッド材料
●ナノ材料 (カーボンナノチューブ他)
◎デバイス事例…仕事関数が性能に及ぼす影響は?
●有機薄膜トランジスタ (チオール単分子層を用いた制御)
●有機EL (陽極バッファ層・電子注入層および陰極)
●有機薄膜太陽電池 (電極材料の仕事関数と光電変換特性の関係)
●色素増感太陽電池 (増感色素エネルギー準位・Li処理TiO2電極)
●シリコン太陽電池 (内部光電子放出法によるヘテロ接合評価)
●蛍光ランプ (ゼロ電界エミッション点)
●LED照明 (LEDと仕事関数・イオン化エネルギー)
●電子写真用材料 (電荷発生剤・顔料・電荷制御剤・電荷輸送剤・外添剤・キャリア)
発刊にあたって
●吉武 道子((独)物質・材料研究機構) | ●柳田 和彦(富士ゼロックス(株)) |
●石井 久夫(千葉大学) | ●今栄 一郎(広島大学) |
●中島 嘉之(理研計器(株)) | ●牧 英之(慶應義塾大学) |
●佐々木 正洋(筑波大学) | ●川崎 昌宏(日立ヨーロッパ) |
●佐藤 誓((株)日産アーク) | ●阪井 淳(パナソニック電工(株)) |
●中根 英章(室蘭工業大学) | ●韓 礼元((独)物質・材料研究機構) |
●戸田 喜丈・細野 秀雄(東京工業大学) | ●大山 陽介・播磨 裕(広島大学) |
●小野田 光宣(兵庫県立大学) | ●坂田 功((独)産業技術総合研究所) |
●石田 敬雄((独)産業技術総合研究所) | ●明星 稔(パナソニック(株) ライティング社) |
●内田 孝幸(東京工芸大学) | ●野澤 誠司((株)スペクトラ・コープ) |
内容紹介
1.仕事関数の定義
2.電子親和力、イオン化エネルギーとの関連
3.仕事関数の起源
4.表面項の起源とバンドベンディング
1.半経験的理論
2.量子力学的理論
3.擬ポテンシャルを用いた第一原理計算
4.吸着系の理論
5.合金系の理論
1.表面化学反応
2.電気化学反応、酸化還元電位
3.半導体電子デバイス、界面電子制御
1.理想ショットキー接合:n型、p型半導体
2.理想MOS
1.バルク項と表面項
2.組成と仕事関数
3.表面修飾
1.Sパラメータとフェルミレベルピンニング
2.電荷中性点
3.ジェリウムモデルを越えて
1.光電子放出過程
2.光電子スペクトルから仕事関数を決定する手法
3.光電子収量分光による仕事関数決定法
3.1 測定手法と装置
3.2 PYSによる仕事関数・イオン化エネルギー測定の実例
3.3 PYSによる界面電子構造測定
1.概要
2.オープンカウンター
3.結果と応用
3.1 金属材料の仕事関数の測定
3.2 有機材料のイオン化ポテンシャル(IP)の測定
3.3 その他の応用例
1.熱電子法
2.電界放出法
3.電子放出分布計測法
4.ショットキーバリア高さの測定
1.測定原理
2.測定の実際
3.測定例
1.阻止電位法
1.1 熱電子源利用阻止電位法
1.2 電界放出電子源利用阻止電位法
2.表面電離法
3.サイクリックボルタンメトリー
1.(微視的)局所仕事関数の定義
2.電子放出を利用した微視的仕事関数計測
3.走査トンネル顕微鏡(STM)~LBHの計測法 (変調法とI-z 法)~
4.走査トンネル顕微鏡(STM)~STSの計測法~
5.原子間力顕微鏡(AFM)利用微視的仕事関数計測
1.光電子分光的手法
2.光電子収量法
3.X 線吸収法(X- ray Absorption Spectroscopy(XAS),X- ray Absorption Near Edge Structure(XANES),Near Edge X- ray Absorption Fine Structure(NEXAFS))
4.逆光電子分光法(IPES)
5.電気的手法
6.内部光電効果手法
7.局所評価法:SPM手法を用いた評価
8.第一原理計算手法
1.金属-無機半導体の界面
2.金属-酸化物の界面
3.金属-有機半導体の界面
4.積層膜
1.仕事関数計測への電子分光分析法の適用
1.1 紫外線光電子分光の概要
1.2 仕事関数の算出法
1.3 運動エネルギー0電子Ek(0)の決定法
1.4 フェルミ準位EFの決定法
2.電極材料-軽金属の仕事関数計測(Mg、Al)
2.1 背景
2.2 X線光電子分光による元素組成、結合状態の評価
2.3 仕事関数計測結果
3.電極材料-貴金属の仕事関数計測(Ag,AgPd,Pd)
3.1 背景
3.2 仕事関数計測結果
4.電極材料-仕事関数の温度依存性
4.1 背景
4.2 温度依存性評価結果
1.電界電子放射法(Fowler-Nordheimプロット)による測定
1.1 Fowler-Nordheimプロットとそれによる仕事関数測定法
1.2 測定例
2.二次電子の電子分光法による測定
2.1 阻止電位法による二次電子の電子分光のための装置と測定法
2.2 測定例
3.光電子放射顕微鏡(PEEM)を用いた光電効果法(Fowlerプロット)による測定
3.1 光電子放射顕微鏡(PEEM)装置と光電効果測定
3.2 測定例
1.非金属材料のイオン化ポテンシャル計測
1.1 エネルギー準位、価電子帯上端(Evalence-edge)およびイオン化ポテンシャル
1.2 イオン化ポテンシャル[IP=hν-{Ek(0)-Evalence-edge}]の算出法
2.ホウ化物のイオン化ポテンシャル計測(LaB6)
2.1 背景
2.2 イオン化ポテンシャル計測結果
3.酸化物のイオン化ポテンシャル計測(TiO2)
3.1 背景
3.2イオン化ポテンシャル計測結果
1.序論
1.1 エレクトライド
1.2 C12A7エレクトライド(C12A7:e-)
2.C12A7:e-の仕事関数の測定
2.1 光電子分光法によるC12A7:e-の仕事関数の測定
2.2 光電子収率法によるC12A7:e-の仕事関数の測定
2.3 仕事関数の測定結果から考えられるC12A7:e-の表面の電子構造
3.C12A7:e-の低い仕事関数の要因
4.C12A7:e-の応用とその特性
4.1 電子銃
4.2 有機LEDの電子注入層
1.導電性高分子の電子状態
2.ダイオード, トランジスタ, 電界効果トランジスタ(FET)などの電子素子
3.紫外光電子分光法(Ultraviolet Photoelectron Spectrometry, UPS)を用いた評価技術
3.1 UPSによる界面電子状態の測定原理
3.2 大気中紫外線光電子分析装置
3.3 金属/導電性高分子接合界面
3.4 電導性酸化物/導電性高分子接合界面
3.5 導電性高分子/導電性高分子接合界面
1.ITOの仕事関数
2.ITO膜表面の有機自己組織化膜修飾による仕事関数コントロール
3.ほかの透明導電膜材料の仕事関数
1.透明性と導電性(可視領域に光吸収をもたないバンドギャップを維持しながら、導電性を有するためのバンド)
2.材料だけで一義的には決定できない仕事関数
3.仕事関数の測定法と測定雰囲気
4.ITOの表面洗浄と仕事関数
1.高分子、絶縁体材料の仕事関数を求める為の前提条件
2.高分子のCPDの測定
2.1 基盤
2.2 サンプルの熱処理
2.3 サンプルの厚み
2.4 測定環境その他
1.有機-無機ハイブリッド材料の合成法
1.1 ゾルーゲル法
1.2 脱水素重縮合法
1.3 籠状シルセスキオキサン合成法
1.4 ポリ/オリゴシリレン合成法
2.仕事関数制御可能な分子のハイブリッド化
3.有機-無機ハイブリッド材料の仕事関数評価例
3.1 サイクリックボルタンメトリー(CV)法による評価例
3.2 紫外光電子分光(UPS)法による評価例
3.3 大気中光電子分光(PESA)法による評価例
1.電子デバイスに用いられるナノ材料の分類とカーボン系材料
2.カーボン系ナノ材料の仕事関数
3.ナノ材料を用いたFET作製技術とカーボン系ナノ材料FETの基本特性
4.カーボン系ナノ材料FETにおける電極の仕事関数の役割
1.電極材料の仕事関数と有機トランジスタの性能
1.1 有機半導体の極性
1.2 有機半導体のイオン化エネルギー
1.3 電極材料の仕事関数とペンタセントランジスタの性能
2.チオール単分子層を用いた仕事関数とキャリア注入効率の制御
2.1 長鎖アルキルチオール
2.1.1 金属とチオール分子の結合
2.1.2 チオール分子層および電極の評価
2.1.3 トランジスタ特性
2.1.4 コンタクト抵抗低減モデル
2.2 フッ素系チオフェノール
1.有機半導体の歴史
2.有機材料のエネルギーレベルと仕事関数
3.有機ELにおける有機材料の仕事関数
4.有機ELにおける有機材料の仕事関数の測定
4.1 電子収量分析法(PYS)または、大気中光電子分光装置(装置、和文説明名称)
4.2 ケルビンプローブ
5.有機ELにおける注入材料、正孔注入層 (ドライ系・ウェット系)
5.1 低分子陽極バッファ層
5.2 高分子陽極バッファ層
6.有機ELにおける電子注入層と陰極
1.有機薄膜太陽電池の開発動向
2.有機薄膜太陽電池の動作原理及びセル構造設計
3.電極材料の仕事関数と光電変換特性の関係
3.1 陰極材料の仕事関数と太陽電池特性
3.2 陽極及びホール輸送層の仕事関数と太陽電池特性
3.3 タンデムセル中間電極材料の仕事関数と太陽電池特性
1.色素増感太陽電池
2.太陽電池における増感色素エネルギー準位
3.HOMOの決定法
1.TiO2電極のLi処理
2.Li処理の効果
3.Kelvin probe法によるLi処理TiO2電極の仕事関数の測定
4.Li処理によるTiO2粒子表面の変化と光起電圧(Voc)向上
1.結晶系シリコン太陽電池におけるヘテロ接合の役割
2.内部光電子放出法による結晶系シリコン太陽電池中のヘテロ接合評価
3.測定例
3.1 ノンドープ a-Si:H /結晶シリコン界面
3.2 ボロンドープa-Si:H /結晶シリコン界面
3.3 GaP /結晶シリコン界面
1.蛍光ランプと仕事関数の関係
2.計測に必要な理論
3.事前可能性調査―実用される蛍光ランプは計測対象となり得るか―
4.実験・計測および結果
4.1 ゼロ電界エミッション点の本計測における定義
4.2 ゼロ電界エミッション点の設定(適用範囲の検討)
4.3 ゼロ電界エミッション点を与える電極温度の算出
4.4 エミッション表面積の算出・見積もり
4.5 計測の具体事例
1.LEDの基本構造
1.1 仕事関数とイオン化エネルギー
1.2 LEDの発光原理
1.3 LEDの効率
2.LED評価方法
2.1 全光束
2.2 配光特性
3.照明用途としてのLEDと利用事例
1.電荷発生剤、顔料、電荷制御剤
2.電荷輸送剤
3.外添剤
4.キャリア