押出成形の基本技術と現場での実践技術

西澤技術研究所 代表 西澤 仁

構成

B5判並製本 220頁

分野

生産マネジメント > 生産工学

価格

55,000円 (税抜 50,000円) 1点 在庫あり

商品説明

 ■正誤表■(2023.4.11更新)
 第3章 2.1項 39ページに誤りがございます。下記(PDF)のとおり訂正いたします。
 https://www.science-t.com/pdf/book/M051_p39_web.pdf


押出成形の基本技術と現場での実践技術

プラスチックス・エラストマー・ゴムを対象に基礎から生産性・品質向上のための具体的な技術を解説
~各種トラブル対策と理解を助けるQ&A付き~

発刊日 2019年3月25日

不良をなくし、高品質の成形品を生産性よく製造するためにー
理論と実験・検証例、実務・ノウハウの両面から解説する書籍ができました

<書籍趣旨>
本分野において、理論と具体的な製造技術の両面から解説した書籍は少なく、さらに押出材料としてプラスチックに加えゴムも対象とした解説書はありませんでした。
本書では豊富な実務経験を持ち、現在は多くの企業の技術指導にあたっている西澤氏を著者に迎え、実務経験を元にした現場で役立つ技術情報をまとめました。同氏の講演セミナーではその分かりやすさに好評を集めており、寄せられた質問をもとに技術者の悩みどころを押さえた解説を収録しました。

本書は以下の内容で構成しています。基本理解から実務課題の解消にぜひお役立てください。

第1~2章
押出成形の原理から成形機の構造、加工工程、適正な押出機・ラインの考え方、押出材料の加工性指標となる8つの項目、加工工程中にチェックすべき5つの項目などの基礎事項を解説しました。

第3章
生産性・品質向上のために必要な具体的な実作業の解説として、材料別の適正加工条件導出のための各種指標とその評価方法、押出機の設計(スクリュー、ブレーカープレート、メッシュ、ヘッド、ダイ)、加工工程の構築、注意点などについて、理論と検証例、各種のデータを豊富に用いて解説しました。

第4章
より材料に焦点をあてて、プラスチックスとゴムの加工性の違い(ゴムの特異性)、加工性の指標(粘度、圧力損失、応力緩和係数、粘弾性、PI)、加工性向上のための混練技術・配合技術について添加剤の種類や配合量などの具体例を挙げて解説。また特に生産性を高める技術として、押出成形―連続加硫(架橋)技術の仕組み、特徴、技術動向を、3章から一歩踏み込んだ設備・工程での生産性向上施策にも触れています。

第5章
押出成形品の品質を低下させる各種の不良・トラブルについて、その原因と対策法を解説。材料側から見た対策、押出機および加工条件から見た対策の両面から具体的な説明を行います。フィッシュアイ、メルトフラクチャー、ボイド、Pゲル、Eゲル、外径変動、脈動(サージング)、ウェルドライン(融着線)、目やに、ダイ膨張 、ブルーム、ブリード,プレートアウト 冷却歪みの他、ゴム特有のトラブル事例も扱います。

第6章
生産性、品質向上の他、コストダウンや製品の性能向上、新規機能性材料に対応する成形技術、可視化・オンライン計測、シミュレーション技術など押出成形技術・製品の幅を広げる技術動向を扱いました。
バレル内面改良型押出機、バリアー型ミシング型スクリュー、ギヤーポンプ押出機,多層同時押出機、ガス発泡方式押出機、可変成形押出機,二軸押出機,多軸押出機ほか、オンラインでの粘度・分散性試験法・可視化技術 、ー押出機内流動解析ソフトなど。

第7章
押出成形技術の中で特に重要な点について総合的な説明をするために、これまでに寄せられた質問も踏まえQ&A形式でまとめました。6章までの内容と合わせてより理解を深めて頂くためにぜひご活用ください。

発刊にあたって

著者
西澤技術研究所 代表 西澤 仁 氏
【略歴】
 1956年 新潟大学 工学部 応用化学科卒 昭和電線ホールディング(株) 研究開発本部 入社
     高分子材料,材料物性,成形加工技術の研究開発に従事
     研究開発室長,試作開発室長,機器電線事業部,被覆線事業部, 特品事業部各部部長を歴任
 1990年 海外JV企業(シンガポール,マレーシア) 代表取締役
 1996年 芝浦工業大学客員研究員 客員教授 兼務
 2002年 西澤技術研究所設立 代表(技術コンサルタント,講演,執筆活動)
 
【その他活動】
 (一社)日本ゴム協会 技術委員会 幹事(技術分科会主査歴任,技術有功賞受賞)
 難燃材料研究会 会長(現在 技術顧問)
 マテリアルライフ学会(常任理事,技術有功賞受賞)
 (独)国際協力機構(JICA) テクニカルエクスパート その他
 
【専門技術】
 1)高分子難燃化技術
 2)高分子材料技術(ゴム,プラスチックス),成形加工技術 (材料組成,物性,押出成形,射出成形,混練技術等)
 3)振動減衰技術,材料およびエンジニアリング(防振,制振,免振)

内容紹介

目次
はじめに

第1章 成形加工法の種類と押出加工の位置付け 

第2章 押出機の基本と実際の押出作業に影響するポイント 

 1.押出成形の歴史と押出ラインの工程,押出機の原理および基本構造

 2.押出ラインの工程

 3.押出機の構造と押出しの原理
   3.1 単軸押出機 
   3.2 二軸押出機

 4.将来計画,実作業に影響する重要ポイント
   4.1 バレル径によって決まる押出機の能力
   4.2 スクリュー構造による押出機の性能の違い
   4.3 適正な押出機,ラインの選択 
   4.4 押出材料の加工性指標
   4.5 加工中にチェックしたい特性
   4.6 その他データ 

第3章 押出作業の基本工程での生産性向上,品質向上 (不良低減)のための実践技術 
      ~押出機,押出材料,粘性流動性と適正加工性指標等 からの考察~

 1.押出機の設計,押出材料の粘性流動特性,適正評価指標から見た考察
   1.1 押出機の容量
   1.2 押出材料の種類と粘性流動特性
     1.2.1 流動性と押出加工性を評価する評価指標

 2.押出機内の材料の溶融,流動,移送と基礎的な押出理論
   2.1 押出機内での押出材材はどのように溶融して流動するのか 

 3.押出工程(ホッパー,スクリュー,ブレーカープレート,メッシュ,ヘッド,ダイ)での押出成形の実践技術
   3.1 ホッパー部 
   3.2 スクリュー部 
     3.2.1 供給部
     3.2.2 圧縮部
     3.2.3 計量部 
     3.2.4 スクリュー設計,構造に関する改良および実践技術
        (1) バリア―構造・ミキシング構造
        (2) スクリュー構造の供給部と圧縮部のピッチ数の比率と材料粘度との関係
        (3) 計量部のピッチ数,長さについて 
        (4) スクリュー計量部におけるバレルとスクリューフライトの隙間について 
        (5) 計量部の溝深さと押出量の関係に対する注意事項
        (6) バレルにおけるホッパー側からヘッド方向への押出設定温度に重要な温度計,圧力計の役割
        (7) スクリューの冷却,温調 
     3.2.5 ブレーカープレート,メッシュ部
     3.2.6 ヘッド,ダイ部
        (1) ダイ設計の基本
        (2) ダイの基本構造と役割 
        (3) ダイの種類とその特徴および材質
        (4) ダイ内の押出材料の流動 
        (5) 代表的なダイ構造とダイスリット,ダイランド長,ダイアングル   

第4章 押出成形で注目される課題 

 1.ゴムとプラスチックスの押出加工性の比較

 2.押出加工性向上のための押出材料の混練技術(主としてゴム材料)

 3.押出性向上のための配合技術(塩化ビニル樹脂,ゴム,機能性プラスチックス材料)
   3.1 塩化ビニル樹脂
   3.2 ゴム 
   3.3 機能性プラスチックス材料

 4.ゴム,プラスチックス(架橋PE)押出成形-連続加硫(架橋)技術
   4.1 押出-連続加硫方式(架橋)の種類と特徴
   4.2 連続加硫における押出機の種類と特徴 

 5.押出成形における生産性向上技術
   5.1 設備面から見た生産性向上のための施策,確認項目 
   5.2 押出成形条件から見た生産性向上技術
   5.3 押出加工しやすい押出材料の開発 

第5章 押出成形のトラブル対策 

 1.押出成形における発生トラブルの種類(ゴム,プラスチックス)と対策
   1.1 押出材料に望まれる特性 
   1.2 フィッシュアイ 
   1.3 メルトフラクチャー 
   1.4 ボイド 
   1.5 ゲルの生成
     (1) Pゲル 
     (2) Eゲル
     (3) PゲルとEゲルの検出
   1.6 外径変動,脈動
   1.7 ウェルドライン(融着線) 
   1.8 目やに
   1.9 ダイ膨張 
   1.10 その他不良対策
      1.10.1 ブルーム,ブリード,プレートアウト
      1.10.2 冷却歪み

第6章 押出成形技術の最近の進歩 

 1.最近の押出機,押出方式の進歩
   1.1 高生産性押出機,高性能押出機
   1.2 押出スクリューの進歩
   1.3 オンライン粘度,分散性試験法,可視化技術
   1.4 シミュレーション技術 ​

第7章 押出成形Q&A 

 Q1. 押出機の購入,選択時の注意事項は?
 Q2. 押出作業を開始する時および運転中の注意事項は?
 Q3. ホッパー部での設備,作業面でのチェック項目は?
 Q4. スクリュー設計の重要チェックポイントは?
 Q5. スクリュー特性曲線とダイ特性曲線は実際の押出成形でどのような意味を持つのか?
 Q6. ダイの種類と設計,選択の基本的な考え方は?
 Q7. 押出成形の適正加工条件とは?
 Q8. 押出成形が難しいフッ素系ポリマー,シリコーンゴムの押出加工性は?
 Q9. 押出加工性に優れた材料特性とは?
 Q10. 押出時のダイ先端での引落し作業とその材料別の数値は?
 Q11. ベント(真空)押出の基本と最近の進歩は?
 Q12. 外径変動対策に効果的なギヤーポンプ押出機の構造と効果は?
 Q13. 伸長流動を利用した低せん断スクリュー構造の研究とは?
 Q14. スクリュー冷却の方法とその効果は?
 Q15. カセットダイ方式の特徴とその使用状況は?
 Q16. 生産性向上のポイントは?
 Q17. 多品種少量生産方式に対する対応は?
 Q18. 押出成形において,より正確な材料温度を測定する方法は?