1.内部監査の問題点
ISOマネジメントシステムの大きな特徴のひとつに内部監査があります。自律的に革新する組織となるために非常に大切な機能なのですが、受審してから5~10年を経過すると、監査しても不適合がなくマンネリの状態となり、内部監査の効果が発揮できなくなる点が問題です。その結果監査に多くの時間をかけるものの、経営活性化への効果が乏しい状況に終始することになります。
そこで、この問題を解決するための改革を提案します。
2.内部監査不振の原因
このように内部監査が不振の原因には、次のような理由があります。
・ トップが内部監査の改革に興味を示さない。
・ 審査機関の監査と同じような指摘に終始している。
・ 規格に沿った内部監査規定を作り、単にそれに従っている。
・ 基準文書である品質マニュアルや規定などが改定されない。
3.新しい内部監査の提案
トップの意向、審査規則、教育などを次の如く変革することで、組織の活性化が図れ、組織の発展が期待されます。
① 社長の役割
内部監査員は社長の分身であると位置づけ、社長の期待をしっかり伝え、組織の改革を行う風土を構築するように指示します。
・ QMSが改善されているかに目を向ける
・ 未然防止で、品質目標を達成する新しい仕組みを取り入れているかを監査する
・ 品質目標は、競合他社を上回る値に設定になっているかを監査する
② 内部監査の規則
内部監査規則には、次の内容を盛り込むようにします
・ 適合性、有効性監査
・ 改善指摘監査 目標設定や仕組みがマンネリ化している場合は、それらを提案できる監査
・ この監査を行うチェックリストの作成
・ 未...
・ 内部監査員は社長の分身という位置付け
・ 社長から内部審査員に監査目的を明確に伝達
・ マネジメント層は、常に組織の仕組みを改善、高い品質目標を設定し、達成に努力する
・ これらを行える内部監査員教育を実施する
以上の点に配慮することで、内部監査のマンネリを打破し、新たな改革を推進することが可能になります。