アイデア発想法と商品企画七つ道具の変遷

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 今回は、顧客ニーズとアイデア発想法および、商品企画七つ道具の変遷について解説します。
 

1. 商品企画七つ道具におけるアイデア発想法

 
 商品企画七つ道具におけるアイデア発想法は、アイデア発想を行う上で、世の中に発表している方法だけでも300もあります。商品企画七つ道具では、ここで企画にふさわしく、実務で使え、実践できる手法に厳選しています。カリスマアイデアマンでなくても、普通の人でも手法さえマスターすれば、創造的なアイデアを発想に近づくことが可能です。
 
 1995年商品企画七つ道具が発表されたときは、発想チェックリスト、表形式発想法が紹介されました。
 

(1) 発想チェックリスト

 
 発想チェックリストが採用された背景は、オズボーンのチェックリスト項目を商品企画に絞って、アイデアを発想する方法です。具体的にニーズが絞られており、短時間でアイデアを出すのに有効です。その用途は次のようです。
 
・他社商品と差別化したコンセプトを立てる
・既存の商品を大きく変える
・商品のラインアップを拡大もしくは縮小する
・技術シーズから応用製品を導き出す
 

(2) 表形式発想法

 
 表形式発想法が採用された背景は、従来から課題を解決するための発想法として、・システムアナロジー・属性列挙法・逆設定法・形態分析法・NM法・キーニーズ法などがあります。これらの発想法の特徴は、次の2点です。
 
・課題をステップを踏んで具体化していく
・発想のポイントを組み合わせている
 
 これらの特長を活かすと、商品企画のいくつかのパターンごとに対応した手法となり、表を左から右へ進むことによって、ステップがきちんと踏めます。また、発想のポイントが自由に組み合わせられ、発想のプロセスが残りので、第三者にも理解しやすいでしょう。そして、手順やルールがシンプルです。
 
 具体的発想法として、組み合わせ発想法、アナロジー発想法、シーズ発想法が厳選して紹介されました。
  
 

2. 商品企画七つ道具の変遷

 

◆ 1995年の商品企画七つ道具の流れ

 
①グループインタビュー
②アンケート調査
③ポジショニング分析
④発想チェックリスト
⑤表形式発想法
⑥コンジョイント分析
⑦品質表
 
 2000年に改良された商品企画七つ道具では、・アイデア発想法・アイデア選択法に改良されました。それは商品企画というと「アイデア優先」、「自由なアイデア発想が絶対必要」となりがちです。しかし前提は「顧客ニーズに合致した創造性が高いこと」が最優先なはずです。
 
 用途目的に応じて以下の発想法が利用されました。
 
・革新型の商品アイデアを発想する:アナロジー発想法、焦点発想法
・改良型の商品アイデアを発想する:チェックリスト発想法
・応用型の商品アイデアを発想する:シーズ発想法
 

◆ 2000年に改良された商品企画七つ道具の流れ

 
①インタビュー調査
②アンケート調査
③ポジショニング分析
④アイデア発想法
⑤アイデア選択法
⑥コンジョイント分析
⑦品質表
 
 2013年に仮説重視型商品企画七つ道具に改良されると、アイデア発想法は、改良改善より、大量に出すことや、創造性の高いアイデアを出す目的に変わり、仮説重視のためのアイデア発想法として、焦点発想法、アナロジー発想法、ブレーンライティングが具体的発想法として利用されました。
 

◆ 2013年の新商品企画七つ道具の流れ

 
①仮説発掘法
②アイデア発想法
③インタ...
 今回は、顧客ニーズとアイデア発想法および、商品企画七つ道具の変遷について解説します。
 

1. 商品企画七つ道具におけるアイデア発想法

 
 商品企画七つ道具におけるアイデア発想法は、アイデア発想を行う上で、世の中に発表している方法だけでも300もあります。商品企画七つ道具では、ここで企画にふさわしく、実務で使え、実践できる手法に厳選しています。カリスマアイデアマンでなくても、普通の人でも手法さえマスターすれば、創造的なアイデアを発想に近づくことが可能です。
 
 1995年商品企画七つ道具が発表されたときは、発想チェックリスト、表形式発想法が紹介されました。
 

(1) 発想チェックリスト

 
 発想チェックリストが採用された背景は、オズボーンのチェックリスト項目を商品企画に絞って、アイデアを発想する方法です。具体的にニーズが絞られており、短時間でアイデアを出すのに有効です。その用途は次のようです。
 
・他社商品と差別化したコンセプトを立てる
・既存の商品を大きく変える
・商品のラインアップを拡大もしくは縮小する
・技術シーズから応用製品を導き出す
 

(2) 表形式発想法

 
 表形式発想法が採用された背景は、従来から課題を解決するための発想法として、・システムアナロジー・属性列挙法・逆設定法・形態分析法・NM法・キーニーズ法などがあります。これらの発想法の特徴は、次の2点です。
 
・課題をステップを踏んで具体化していく
・発想のポイントを組み合わせている
 
 これらの特長を活かすと、商品企画のいくつかのパターンごとに対応した手法となり、表を左から右へ進むことによって、ステップがきちんと踏めます。また、発想のポイントが自由に組み合わせられ、発想のプロセスが残りので、第三者にも理解しやすいでしょう。そして、手順やルールがシンプルです。
 
 具体的発想法として、組み合わせ発想法、アナロジー発想法、シーズ発想法が厳選して紹介されました。
  
 

2. 商品企画七つ道具の変遷

 

◆ 1995年の商品企画七つ道具の流れ

 
①グループインタビュー
②アンケート調査
③ポジショニング分析
④発想チェックリスト
⑤表形式発想法
⑥コンジョイント分析
⑦品質表
 
 2000年に改良された商品企画七つ道具では、・アイデア発想法・アイデア選択法に改良されました。それは商品企画というと「アイデア優先」、「自由なアイデア発想が絶対必要」となりがちです。しかし前提は「顧客ニーズに合致した創造性が高いこと」が最優先なはずです。
 
 用途目的に応じて以下の発想法が利用されました。
 
・革新型の商品アイデアを発想する:アナロジー発想法、焦点発想法
・改良型の商品アイデアを発想する:チェックリスト発想法
・応用型の商品アイデアを発想する:シーズ発想法
 

◆ 2000年に改良された商品企画七つ道具の流れ

 
①インタビュー調査
②アンケート調査
③ポジショニング分析
④アイデア発想法
⑤アイデア選択法
⑥コンジョイント分析
⑦品質表
 
 2013年に仮説重視型商品企画七つ道具に改良されると、アイデア発想法は、改良改善より、大量に出すことや、創造性の高いアイデアを出す目的に変わり、仮説重視のためのアイデア発想法として、焦点発想法、アナロジー発想法、ブレーンライティングが具体的発想法として利用されました。
 

◆ 2013年の新商品企画七つ道具の流れ

 
①仮説発掘法
②アイデア発想法
③インタビュー調査
④アンケート調査
⑤ポジショニング分析
⑥コンジョイント分析
⑦品質表
 
 尚、具体的なアイデア発想法のやり方は、別の連載として、紹介していきます。
 
【参考文献】
神田範明編著:『商品企画七つ道具-新商品開発のためのツール集-』、日科技連出版社、(1995)
神田範明編著:『ヒットを生む商品企画七つ道具 よくわかる編』、日科技連出版社、(2000)
神田範明著:『神田教授の商品企画ゼミナール』、日科技連出版社、(2013)
 

【関連解説:商品企画七つ道具】

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この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

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