今回は商品企画におけるアンケートの作り方を解説します。アンケート調査は調査仮説や調査目的に基づき、明らかにしたいことを具体的な調査項目へ落とし込みます。
【アンケートの構成】
(1) 前書き
調査者、あいさつ、調査の趣旨と依頼、個人情報保護の約束、調査結果の使途、問い合わせ先、回答要領、記入方法など。
(2) アンケート本体
アンケート設計の前提は、回答者がスラスラと答えやすいこと、真の声を数字化したいので正確な回答を得られるよう吟味した構成とする、ことです。今回は、アンケート本体である回答者に回答しやすい質問に焦点を当てて解説します。例を挙げて紹介します。
Q1の自由回答のアンケートは、回答者が抵抗があるアンケートの一つです。回答者からは、何を書いたらわからない、文章を考えるのが面倒。紙の場合であれば、字が汚いから書きたくない。
実施者からすれば、回答者の素直な本音が聞きたいので、回答者から面倒と言われて、書いてもらえないのは機会損失です。自由回答は面倒なアンケートの一つですが、書いてくれる回答者がいます。それはどのような方でしょうか?
① スポーツドリンクを買って、非常に気に入って、そのお気に入りを製造メーカーに伝えたい方。
② 逆にスポーツドリンクを買って、非常に不満で、その不満を伝えたい方。
①の方はうれしい限りです。②は商品に問題があります。その顧客には不満の対策する必要があります。①②の方は両極端の方ですから、この情報を活かして、商品企画しても疑問です。大多数の書かない回答者の意見が取れないからです。
Q2の選択肢を用意するアンケートは、アンケートとしては問題はありません。
Q3はQ2からさらに改良して、段階評価にして、総合評価も入れた作り方です。
(3) 回答者が答えやすいアンケートとは
事実を聞く質問が答えやすいのです。例えば、性別を問う質問は迷うことなく答えることができます。先ほどの例、Q3も比較的に答えやすいでしょう。また、商品を提示した評価は答えやすいでしょう。
私はこの商品評価アンケートをインターネット調査を多用していますが、段階評価を活用したアンケートは回答者の脱落が少ないのです。
(4) 答えにくいアンケートとは
顧客の真の声を聞くことがアンケートが目標ですから、次のような答えにくい内容は避けましょう。
...
・回答に迷う
・質問の意図がわからない
・回答について考える
・回答が文章で書く
アンケートは構成、用意する質問の作り方によって、結果が激変します。アンケートにより課題を洗い出し、その課題が数値化出来れば、課題解決に繋がります。
【関連解説:商品企画七つ道具】