1. グループインタビューの応用としての飲みコミュニケーション
今回は、グループインタビューの応用で、飲みコミュニケーションについて例を用いて解説します。
その前に、Q:あなたがよくしゃべっている場面はどんな時でしょうか?
・会議の場面
・自身のデスク
・昼休みの社員食堂
・お弁当を広げてランチタイム
・喫煙所でたばこを吸いながら
・給湯室でのひととき
・休憩中、コーヒーを飲みながら
・飲み会の席
◆男性に伺うと、
・たばこを吸いながら
・親しい友人と居酒屋での飲み会
◆女性に伺うと
・お昼のランチタイム
・休憩中
よくしゃべると言うことは、グループインタビューの活用に最適と言うことです。グループインタビューでは、「よく話す人を参加者に入れましょう」とあります。私は、たばこを吸いませんが、たまに喫煙所に入ったりします。そこでは、実に多様な会話が弾んでいます。
男性でよく話す場面に出てきましたが、居酒屋でのグループインタビューについて触れてみます。グループインタビューを越えて本音を聞きたいときは、飲みコミュニケーションをターゲット層で実施します。
それは、お酒が入った方が滑舌が良くなるからです。本音をぶつけた会話になりやすいのです。グループインタビューである特徴の、相互対話が活発になります。
私は失敗しましたが、お酒はほどほどにした方がよいでしょう。深酒になると司会者がコントロールしにくくなります。
2. 飲みコミュニケーションの活用事例
【若者向きRV車の企画】
企画担当者がS大学経済学部Kゼミの学生ととても頻繁に飲み会を行っていました。飲み会から大学生の価値を見いだしました。会場はよくある居酒屋です。気兼ねなく大学生に話してもらうためです。特にターゲットとしては、アウトドアレジャーを好む大学生に絞って、交流会をしていたことを思い出します。
大学生がクルマに限らず、どんな生活をしているか、雑談していました。雑談の中から、大学生の本音、価値を見いだしていきます。一見無駄に思える手法ですが、大学生の価値を知る上では有効な手段でした。大学生からしたら、企画担当の方と飲んで話すだけで喜んでいました。企業側回答者側共に好都合です。
【大学生の価値観】
(1) 道具感
クルマを所有するのではなく、使いこなす道具として考えています
(2) 使えるクルマ
荷室は荷物がしっかり積めること、必要な荷物が積めないクルマは使えないクルマと判断します
(3) 仲間4人
仲間意識が強く、後席でくつろげるスペースを必要としています
【競合のRV車の特徴】
(1) 高い価格
大学生が手が届く価格ではありません
(2) 燃費が悪い
車格、車重や排気量が大きく燃費が悪いのです
(3) 運転...
のしにくさ
大学生ですと運転初心者が多く、運転のしやすさが大事です
(4) 乗降性が悪い
車高が高く、女性からは乗りにくい
大学生の価値と競合の特徴は相反しているものであり、これらを真の価値ととらえ、仮説として企画の検証を実施した事例です。
【参考文献】
神田範明編著『顧客価値創造ハンドブック』日科技連出版社、2004
【関連解説:商品企画七つ道具】